眠れない子供にきかせるには、少々重めのお話ですね。それとなく納得ができるような、まだ謎の中に閉じ込められているような。まだ霧の中にいるような読後感は、ミステリの醍醐味と言えますね。
絵が、夜ごと進んでいく。物音がする。油が減る。誰もいないはずの仏間で――。忘れられた記憶が、夏の夜にそっと息を吹き返す。これは、暑い夏の夜にこそ読みたい――記憶と愛の怪談ミステリー!!