この美少女幼馴染はただの教育係です!!!
手垢
第1話 プロローグ
「ねぇ、たっくん。もし結婚するとしたら私がいいと思わない?」
夕方、放課後の講演でこんなことを突然告げられた男子高校生の気持ちを120字以内で述べてみろと言われたら、今の生成AI達はなんと答えるのだろうか?少なくとも琢磨GPTは思考を停止した。
「そういうこと言うやつ以外と結婚したいかな、俺は」
少女は一瞬泣きそうな顔をしたのち、むすっとした表情になってさらにグイっと隣の男子学生の顔をのぞき込む。夕方とはいえ7月の熱気にあてられた女子高生が寄ればそれは当然お花畑が脳内に広がるわけである。
「じゃあ、結婚してって私が言っても絶対に結婚してくれないってこと?」
「……三人寄れば文殊の知恵で、女子高生一人よればサクヤヒメってことか……?」
至近距離で目があいながら二人の思考は平行線どころかねじれの位置にあった。
「ヒメって、私のこと!?もぉ~、たっくん花蓮ちゃんのことめっっっちゃ好きじゃーん!!好きならそうと早く婚姻届け書いてくれればよかったのに!!」
肩をバシバシとたたきながらそう喜ぶ少女の横では、生々しく言えば至近距離で美少女の吐息をほのかに顔で感じてしまった脳回路ショート寸前の男子高校生が天を仰いで座っている。傍から見れば落ち込んでいる男の子を親友の女の子が元気に励ましているようにも見えるかもしれない。が、実態は体の方は熱を持ってしまった男子高校生が無自覚で惑わしてしまった幼馴染の美少女に勘違いをされているだけである。
一見ただのスタイル抜群でただの可愛いただの幼馴染で断じて彼女などではない、ないのだ。
そう、この美少女幼馴染はただの教育係です!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます