メンヘラのすすめ
唯野木めい@自主企画開催/コメント返信遅
メンヘラのすすめ
注意事項
・この話を読んだからといって、全てのメンヘラさんの気持ちがわかるようになるわけではありません。あくまで私個人がメンヘラ生活を送るうえで、感じたことを綴ったものになります。
・メンヘラの定義を「メンタルヘルス的に問題のある人」としています。
・筆者は適応障害持ちです。
・リスカなど、人によっては嫌悪感を示す内容を含んでいます。
★☆★
はじめまして。あるいはこんにちは。唯野木めいです。
普段は
・オタク全開のエッセイ
https://kakuyomu.jp/works/16817330652956207422
や
・新視点から始まる創作論
https://kakuyomu.jp/works/16817330664083608563
はたまた
・ディストピア世界で巻き起こる、つよつよ(物理)お姉さんと性癖狂わせお姉さんの百合
https://kakuyomu.jp/works/16818622170524168402
を書いている、しがない字書きです。
ですが、何を隠そう適応障害持ち。診断されて、もうすぐでかれこれ一年になります。
このたび「これを読めばメンヘラの気持ちがわかります」などという大言壮語を並べてエッセイを執筆することにしたのですが、まず初めに、二つお伝えすることがあります。
一つ目はメンヘラの定義について。ここでは注意事項にも書きました通り「メンタルヘルス的に問題のある人」、つまり精神疾患を抱えている人に限定しています。
二つ目は、先ほどもお伝えした通り私は適応障害持ちです。ですので、メンヘラとは言いましたが、俗にいう躁鬱や、アル中など、何らかの依存症に苦しんでおられる方とはちょっと毛色が違うかもしれません。また、このエッセイは全ての適応障害持ちの意見を代弁するわけではなく、あくまで私個人の経験によるものにすぎません。
さて、前置きが長くなりましたが、堅苦しい喋り方はやめてゆるーく「メンヘラの思考回路」を分析、解説していきましょう~。
【よくありそうな質問】
Q1:なんでメンヘラになったの? 今の病状は?
A1:これは人それぞれだと思います。ちなみに、私の場合は毒親+ブラックバイト勤務+自身の高すぎる理想に他でもない自分がついていけなかった、の3点セットです。一応峠(?)というか、しんどすぎる時期は乗り越え、お薬と先生方の優しさで日常生活を送れています。
Q2:適応障害ってなーに?
A3:しかるべき医療機関のHP曰く「ストレスが原因で様々な精神面・身体面での症状が起こる病気」だそうです。
Q3:メンヘラがヒステリーを起こした!メンヘラ怖い!
A3:まずヒステリーではなく、パニック状態だと思います。一つ一つ解説してみましょう。
例えば、私の場合勉強(特に数学)ができないというコンプレックスを持っているのですが、数学で解けない問題に直面すると、まず思考が停止します。次いで、「ニートになったらどうしよう」などと、将来への不安が沸き上がります。
この時点でおかしいですね。数学とニート、何が関係あるのでしょう。
おそらく、脳内で以下のような連想ゲームが瞬時に行われています。
数学ができない→受験に失敗する→進路が決まらずにニートになる(将来への不安)
そしてこの将来への不安が「自分は価値の無い人間である」→「価値の無い人間は死ぬしかない」などと、どんどん負の感情の連想ゲームが始まります。
そして、ここで新しい選択肢が生まれます。
「なんで私は自死を考えるくらい苦しんでいるのに、周りの人は能天気な顔をしていられるの?」です。完全な逆恨みです。
そして、おなじみの「なんでわかってくれないの?」から始まるヒステリーが起こるわけです。
けれども、恐ろしいことにこのパニックは、本人も何が原因でパニックになってしまうのか分かっていないのに起こることが多いんですよね。私の場合、「数学」そのものではなく、「自分のコンプレックスを指摘されることが屈辱であり、その屈辱を受け入れられない」ことが苦しいのでしょう。しかし、これに気づくまで三年以上かかりました。
Q4:メンヘラはリスカとかOD(オーバードーズ)するってマジ?
A4:私の場合は「マジ」です。まだ薬物に手を出していませんが、腕は選択板、足はどこぞの戦闘民族かと思うくらい切り傷だらけです。夏が嫌になりますねえ。
せっかくので、リスカをするメカニズムを解説します。
先程、負の連想ゲームにより自死を考えると述べました。
しかし、ここで逆恨みとは違う、第二の選択肢が生まれることがあります。
ずばり、それは「この状況から救われる方法がある」という、自己暗示のジンクスです。
そのジンクスが、私の場合はリスカです。
まず、リスカをすると気持ちがいいんですよね。すっきりするんです。痛いけれど、すっきりが上回ります。まるで胸のなかのもやもやを、血を流すことで外に排出している気分です。
また、実際に肉体の痛みを味わうことにより、意識がそちらに向かい、相対的に心の痛みを感じる割合が減るということもあると思います。
このような心の痛みからの解放を一度経験してしまうと、それがある種の成功体験になってしまいます。そして「辛いな。苦しいな。でもリスカしたらすっきりする。この痛みから救われる!」と自己暗示を繰り返してしまい、気が付いたら腕が大変なことに……という訳です。
大人の方にしか使わらないと思いますが、きっと辛い仕事の後に酒を煽る感覚と近いと思います。
さて、あらかた皆さんが疑問に思っていることを解決できた(ということにする)と思うので、次は本編であるメンヘラの取り扱い方についてです。
まず、大前提としてメンヘラをお医者さんの元に連れていって下さい。素人ができるのはせいぜい気休めレベルです。メンヘラは立派な病気なので、お医者様に治してもらいましょう。
その上で、メンヘラをメンヘラから脱却させるための気休めをいくつか書いておきます。
①理解のある「彼/彼女」になりたいなら、物理的に一緒にいる時間を増やす
タイトルそのままです。メンヘラさんのメンヘラを治すためにはとにかく一緒にいてあげて下さい。
というのも、メンヘラはとにかく不安で仕方がない生き物です。特に、私のような「他者の存在を気にする」タイプのメンヘラは「仲の良い人(あなた)に嫌われないか、見捨てられないか」を頭の片隅で常に考えています。それが原因で他人に気を使いすぎて疲れたり、疲れすぎたことで人が嫌いになったり、はたまた他人が自分のことをどれだけ気にかけてくれているか知るためにかまってちゃんになってみたりします。
残念ですが、このような不安は「傍にいるよ」などと言葉だけで解消するものではないと思います。なぜなら、メンヘラは自分が価値の無い人間である(と思い込んでいる)ことは、自分が一番知っているからです。言葉だけ貰っても「こんな価値の無い人間に付き合ってくれる人間など本当に存在するのだろうか?」とかえって疑心暗鬼になってしまいます。(少なくとも私はそうでした)
しかしながら、物理的に一緒にいてくれると話は変わってきます。「傍にいるよ」という言葉を疑心暗鬼で否定しようとしても、実際に隣にいるわけですから否定しようがありません。常に隣にいてくれる人がいることで、「傍にいる」という言葉を信じられるようになり、だんだんと「この人は自分を必要としてくれているのかもしれない」と自分に自信を持てるようになる、と私は思っています。
②とにかく肯定的な言葉をいっぱい送る
①の後半と内容が被ってしまいますが、メンヘラとはとにかく自分に自信がない生き物でもあります。その原因は様々ですが、原因を取り除くよりも、応急処置を施す方が私は大切だと思っています。
その応急処置が、肯定的な言葉をメンヘラに言うことです。
肯定する内容は何でも良いですが、具体的だとより効果的です。「あなたはこれができるんだよ」「あなたにはこれだけの価値があるんだよ」「私にとってあなたはこういう存在であるんだよ」。これらのことを伝えることで、メンヘラに自分の価値を知ってもらい、自己肯定感を高めてもらいます。自分で自分のことを認めることができるようになったら、メンヘラをほぼ卒業したと言っても過言ではないでしょう。
③メンヘラに飲まれないようにする
ここまで、散々メンヘラの取り扱い方を説明しましたが、これを実行することは、実はかなり難しいことだと思います。
と言うのも、メンヘラの思考は基本的にネガティブです。はじめのうちは、あなたがどんなに肯定的な言葉を投げかけても「でも」「だって」と、ときにはむきになってまでネガティブな方向へと考えるでしょう。
また、メンヘラは話が通じない状態になっていることがあります。先に述べてパニック状態の時ですね。その時はまるで言葉のドッチボールです。あなたの話など聞こうともしないかもしれません。自分が言いたいことを一方的に言うことも多いでしょう。
いずれにせよ、メンヘラと本気で向き合うためには相当の忍耐力が必要です。
更に、メンヘラはあなたをこちら側(メンヘラ側)へ堕とそうとする傾向もあります。「あなたが私の苦しみをわかってくれないなら、あなたも私と同じ状況になればいい」。という発想ですね。
これは非常に質が悪いものです。人間、誰しも落ち込んだり悲しい出来事にあったりすることがあります。そんな時に、大切な人から「あなたも一緒に病もうよ。二人で死のうよ」などと言われたら? つい「いいよ」と言ってしまいたくなるかもしれません。しかし、メンヘラを治療するためには、あなたは絶対的な光であらねばなりません。自分が苦しい状況でも、大切な人からの誘惑を振りほどいて、前向きで居続ける。これほど精神力が要求されることは他にはないでしょう。
以上になります。最後に、もう一度言いますがあくまでこれは私がメンヘラ生活を通じて思ったことになります。精神障害の症状は一人一人違いますので、その人にあったアプローチ方法をご自身で考えて頂くのが一番かな、と思っています。
閲覧ありがとうございました。よろしければ、冒頭に紹介したた作品も読んでいただけると嬉しいです。
・オタク全開のエッセイ
https://kakuyomu.jp/works/16817330652956207422
や
・新視点から始まる創作論
https://kakuyomu.jp/works/16817330664083608563
はたまた
・ディストピア世界で巻き起こる、つよつよ(物理)お姉さんと性癖狂わせお姉さんの百合
メンヘラのすすめ 唯野木めい@自主企画開催/コメント返信遅 @Mei_tadanogi
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