第36話「全てが上手くいった!」

 ーージェシカを倒してから数日後。


「き、今日から隻眼系魔法少女になるジェシカだ。その、今まで迷惑をかけた分、魔法少女として頑張る」


 ジェシカちゃんが全ての黒幕だと言う事を世間に隠して、新たな魔法少女としてデビューする事になった。


 ジェシカちゃんからは何度も「本当にワタシを許して良いのか?」と言われたが、全員OKを出してくれた分、ナナさん、エリマちゃん、ヤツハちゃんからは暖かく歓迎された。


「まぁなんや、確かにジェシカは、とんでもない事をしたけど、でもウチ達が魔法少女になって、そしてみんなと出会えたキッカケを作ってくれたのもジェシカなんよな。なら、ウチは怒ったりしないよ」


「オレもナナさんに同意だ……お陰でバチバチ系魔法少女になれたからな」


「まぁ、ワイもそこまで鬼やないし、みんなが許すなら良いんやない? でも、ジェシカちゃんが黒幕だった事を隠し続けるのは厳しくないかねぇ?」


 ヤツハちゃんが、もっともな事を言うとカエリ社長が元気溌剌げんきはつらつに宣言した。


「問題なし! 我が社に五人の魔法少女が居るだけで大きな強みだし、他の企業とは違って五人そろえば正義の魔法少女集団を作ることが可能だし、モンスター達と協力して復興を手伝いながら人間同士の問題を解決してジェシカちゃんの信頼を築いていけば、全てが曖昧あいまいになるさ!」


「そうか、今からジェシカちゃんの知名度を稼ぐ事で真実を隠蔽いんぺいするんだね」


「その通りだよミチカくん。それに、ネロスの狂愛の正体も分かった。極度の複雑性トラウマ、複数のトラウマが絡み合って巨大な心の闇を作ってしまったらしい。が、この症状は現代医療で治療できるから、そこも問題なし!」


 良かった〜、ジェシカちゃんが罪人になる事もなくなったし、ネロスも救えると聞いて安心した。


 ネロスが治療を受けてる間、四天王のみんながラグナラスの平和を維持する事になった。


 後はやっぱり人間同士のいさかいだよね。


 もうモンスターと戦う必要性はないけど、でも二度と派手な攻撃とか戦い方はできなくなるんだよね。


 それはそれで良いけど、一番面倒なのはモンスターでもジェシカちゃんでもなくて、人間そのものなんだな。


 そんな事を考えてたら、レイサちゃんが何かを閃いたかのように言った。


「あ、そうだ。せっかく魔法少女が五人になったし、チーム名を付けないか?」


「え、チーム名?」


 確かに五人も魔法少女が居たらチーム名があってもおかしくないか。


 チーム名に関しては私、レイサちゃん、ナナさん、エリマちゃん、ヤツハちゃん、そしてジェシカちゃんと話し合うのであった。

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