第35話「ラストバトル」

 銀髪にしてグレーを強調した流星系魔法少女ステラ。


 彼女の周囲には黄金の星々がきらめいていて、彼女そのものが星そのもののような姿だった。


 対して、赤髪隻眼の魔女であるジェシカは杖を振るった。


 彼女にはモンスター特攻が付与されてる。


 もしも、ステラの中にモンスターの絆も含まれてるなら効果はあるはずだ。


「ぐ、うぅ!」


「バカだな、モンスターの絆なんて取り込むから痛い思いをする事になってるじゃないか」


「でも、でもこれは、本来ならモンスターのみんなが背負うはずの痛みだったんだ! あの子達が経験した痛みを知らないで前に進む気はない!」


 ステラは、光の大剣ステラブレイバーをたずさえてジェシカの杖と激突した。


 光と闇の激突、その衝撃波で周囲の建物が崩壊する中で、ステラとジェシカは空中戦を繰り広げた。


『く、やはりモンスター特攻がキツイな。ミチカだけじゃなくて私も痛い……が、弱音を吐く理由にはならないな』


「そうだねレイサちゃん、全てを終わらせよう!」


 ステラとジェシカが互いに空中で距離を取ると、ジェシカから闇の巨大光線が放たれた。


「砕けろ! カオスブレイク!!」


「おおおお!! みんなの絆を一つに! ステラ……バスター!!」


 ここまで辿り着けたのはステラの力だけじゃない、カエリ社長、ガイア、キリ、イナリ、そして四天王のカギリ、ニリス、ランザク、クローニャ、それにネロス。


 みんなとの出会い、みんなとの絆が、今ここで一つとなる!!


「おおおおおおお!!」


『いっけぇぇぇ!!』


 ステラの両手から虹色の巨大光線が射出された。


 光と闇の激突、しかし光が闇の光線を破壊してジェシカに到達した。


「ぐ、あぁ!! 何が絆だ! 何が仲間だ! ワタシはいつも一人だった! 父様を失ってから仲間と呼べる存在が一人も居ない中で一人で頑張ったんだぞ! ワタシの努力を否定するなぁ!!」


 ジェシカは虹色の光線に飲み込まれた。


 だが、痛くないどころか、むしろ暖かい。


 今まで感じたことのない感覚。


 ぬくもり、それらは、流星のように輝く一人の魔法少女が体現していた。


 この時にジェシカは悟ったのだ。自分が本当に欲しかったものは、混沌ではなく、ぬくもり、絆だったのだと。


 混沌覇王はジェシカを愛してなかった。


 だからこそ言える。ジェシカに混沌覇王は向いてないと言う、極めて当たり前の現実から引き上げてくれたステラに感謝を抱きながら、ジェシカの野望はついえるのであった。

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