第2話
「それ、なに?」
楓がクロカワが握っていた男の
脳と心臓を指さしてたずねた。
「オマエは知らなくていいことだ。
いずれわかるだろうが」
クロカワが少し哀しそうな眼をして
そう答えた。
「すこし、宿で休憩しよう」
クロカワは楓とともに民宿
へむかった。
民宿(桜木荘)の壁には
でかでかとクロカワのことが
貼りだしてあった。
「パパ、どうするの」
「別のところを探そう」
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