第35話「魔界への扉」

 ニシリカから無事に帰還してクリアラス帝国に戻ってカエリア大臣に魔界の鍵について聞く事にした。


「えへ? ニシリカで魔界の鍵を手に入れた? ……まさか、あの噂は本当だったのですか?」


「あの噂って?」


⬛︎


 ニシリカは魔界と癒着していると言う噂があったのです。


 高額医療費も最新の医療も、全て魔界から手に入れた技術なんじゃないかと。


 そして、その技術の濫用を恐れてニシリカは高額医療費ばかり請求するようになった。


 これに関しては信憑性が無かったのですが、いやはや、まさか魔界に繋がる鍵が手に入ったのは予想外でしたし、あの噂は本当だったようですな。


 つまり、これはもう国の問題ではなく、全ての根幹である魔界に調査しに行くしかありませんな。


⬛︎


「魔界……そういや、どんな世界なのか今まで知らなかったな」


「えへ、この魔界の鍵があれば魔界に行けると思うのですが、その、扉がどこなのか分からないです。はい」


 そう、鍵だけを手に入れても肝心の扉がどこなのか分からない。


 そこで、私は思い出したのだ。


「そうだ、聖者の針で私の両親を助けよう! 二人とも魔界に行って魔王を倒した勇者のパーティだし!」


「えへ、それは良い考えですな」


⬛︎


 数日後、私は10年ぶりに両親と再会して、聖者の針で両親を治すことに成功した。


「リミカ……その様子だと、自分が何者なのか分かってるな」


「うん、父さんと母さんは、私が魔王の娘だと分かってて人間として育てたんだよね。その事は恨んでないから安心して。それよりも、魔界に行く方法が知りたい」


「魔界……ニシリカが魔界と繋がってるのは知らなかったが。そうだな、扉なら出せるはずだ」


「出せる?」


「リミカ、その魔界の鍵にコードブレイクを使うんだ。そしたら魔界の鍵は魔界の住人を検知して魔界への扉が開くはずだ」


 父さんに言われたので、私は覚悟を決めて魔界の鍵にコードブレイクをした。


 すると、私達の目の前に巨大な扉が出現した。


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