第33話「魔界の鍵」
カオスゴーストのラカが使う絶死とは、あらゆる運命の糸を切断して絶対不可避の即死攻撃を放つ危険な技です。
ディン様が回避できたのも、獣王として回避の運命を作る事ができたからだと思います。
よって、ラカがポンコツではなく、運命の糸を新たに作成できるディン様がすごいのです。
⬛︎
ディンが召喚した僧侶の獣人は得意な感じで説明した。
「は? 獣王? 獣王なのですか? それって架空の存在なのでは?」
「ディン様は紛れもなく本物の獣王です。つまり、貴女の負けは確定です」
「ひどーい! 僧侶を召喚できてもボクには勝てるわけが……」
「ハイパーヒール!!」
「ぎゃぁぁぁ!! 回復魔法は苦手なのにぃぃぃ!!」
僧侶の回復魔法で苦しんでるラカに向かって、獣王としての本気を出したディンが迫った。
「ま、待って! 降参! 降参するから殴らないで!」
「がうがう、とか言って油断させて絶死を使うだろ? なので、鎌を破壊するのだ」
⬛︎
「きゅ〜、痛い、痛いです、あの鎌にカオスゴーストとしての存在を与えてた分、破壊されると痛いです。あ、ボクはとっくに死んでますし、もう絶死すら使えない役立たずな死神です……てことは無職!? やったー! 引きこもるぞー!」
負けたのにやたら元気なラカに向かって、ディンは扉の方を指差した。
「がうがう、この向こうに聖者の針があるのか?」
「? え、ないですけど? あれ? アナタ達の目的は『魔界の鍵』じゃないのですか? 魔界の扉を開けようと考えてた悪い人達じゃない?」
「がうがう、まかいのかぎ? なんだそれ?」
「……あ、この後どうなろうが知らないや。早速、退職届書いてきます! じゃーね!」
それだけ言い残してラカは立ち去って行った。
残されたディンと僧侶は魔界の鍵とは何なのか確認することにした。
「がうがう、まかいのかぎって、なんだと思う?」
「ワタシも初耳なのですが、え? なんでそんな危険な財宝がニシリカにあるのですか? なんかニシリカの闇の部分に足を突っ込んでる気分です」
「がうがう! ニシリカは何か悪い事をしてたのだ! これ以上悪い事させないように、ディン達で魔界の鍵を盗むぞ!」
「良いのですかね? リミカ様に確認……したくても今は演劇中でしたね。魔界の鍵の正体は分かりませんが、ニシリカの闇を告発する材料になるかもしれません」
ディンは魔界の鍵を手に入れたのだが、この鍵をどこで使う物なのか分からないまま手に入れてしまった。
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