ゆうだち

菜の花のおしたし

第1話 夏のおもひで

市民プールに朝から夕方までおった

顔見知りばかり

やんちゃな男子が弟や妹を連れて面倒みてる

へえ、ええ奴やん 

人には色んな顔あるなぁ



首振りの扇風機だけの

開けっぱなしの店

子供向けやから安いねん

かき氷はレモンや

ほらな、きれいやろ、黄色じゃない、レモン色やねん

はよ、食べひんと溶けてまう

いそげー!



朝のラジオ体操

首からカードぶら下げて

神社へ走る

ハンコ押してもらう

全部押してもろたら

何か貰えるんやで

なんやろなぁ、楽しみや



あ、ちんちらりん〜や!

風鈴売りのおっちゃん

汗だくで手拭いで顔を拭きながら

荷車引いてはる

荷車が揺れると風鈴まで揺れるねん

色んな音色が重なって

目つむって聞いてみよし



寝る時は蚊帳

ばあちゃんとふたりで吊るす

蚊取り線香と団扇

扇風機なんか無いねん

さあ、ばあちゃんのお話や

おもろすぎて寝られへんねん



夏は夕立

急に空がまっくろけになると

ゴロゴロ〜と雷さんが鳴るやろ

トタン屋根がぱちぱちぱちと音たてて 

雨飛沫あげてるのん、ごっついな

そのあとやねん、極上なんは

ふぃ〜んと風が吹くやろ

一気に涼しいねん




子供の頃は夏休みは祖母のところにずーといました。

祖母のお尻にくっついて離れないので、「この子は私のしりこぷたにへばりついて離れんのだわ。」と会う人に愚痴ってました。













  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ゆうだち 菜の花のおしたし @kumi4920

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る