九十九異能者物語 “瞑猽”
白木飛鳥
第1話「Zone:自分の居場所」
20XX年4月6日9時6分。喫茶店『CAFETERIA 4696』。
ここは横浜。横浜のひっそりとした路地にある喫茶店『CAFETERIA 4696 北幸店』。
私は、上林芽衣(かんばやしめい)。18歳。横浜第五大学に入学した大学生だ。
これから、ここでバイトの面接である。
カランコロン(喫茶店のドアを開ける音)
「すいません・・・。バイトの面接に来た上林です。」
「・・・。」
「あれ・・・。時間間違えちゃったかな・・・???いや、合ってるな・・・。」
ガタゴト・・・(奥で何かが動く音)
「すいません、バイトの面接に来た上林です。」
「あぁ、オーナーから聞いてるよ。初めまして、ここの店長の中村だよ。よろしく。」
「よろしくお願いします。」
「早速面接をするけど、最初に聞くけど君は『異能力者』かい??」
「え??あ・・・。はい。噂になってるような派手な奴じゃないですけど。」
「うん・・・。それはわかるよ。私は、フクロウの異能力者だからね。我ながら見る目はあるということは自負しているよ。」
「私は、『パンダ』の異能力者です。見た目は人を寄せ付けないのですが・・・。」
「うん???君は何か勘違いしてるようだ・・・。」
「勘違いですか??」
「あぁ、君の能力は君が思ってる以上に君を魅力的に見せているよ。」
「え???」
「あぁ、この言い方はセクハラになってしまうなぁ。う~~んと、君の周りにいた人たちはおそらくだが油断をしたら危ないからだと思うよ。近寄らないのは。」
「・・・。いまいちわからないです・・・。」
「そうだろう、そうだろう。まぁ、ゆっくり考えていこう。」
「はい・・・。」
20XX年4月6日9時16分。喫茶店『CAFETERIA 4696』。
「よ~~し、そうしたら君は『採用』ということで店の説明をするね・・・。」
「え??採用ですか??いいんですか??なにも・・・。」
「いいのさ、バイトなんてそんなもんだよ。この店は横浜周辺に4店舗ある店の一つでね。ここは2号店にあたる。ここまで大丈夫そ???」
「はい。大丈夫です。」
「まぁ、営業目標とか立派なものはなくてね、来た人が好きなだけ話してコーヒーだとかサンドイッチだとか飲んで食べてくれればいいなと思ってくれればいいのさ。」
「はい、その空気感がとてもいいなって思って応募しました。」
「そうかい、そうかい。うれしいよ。やっぱり君は向いてるから『採用』だ。」
「はい。ありがとうございます。頑張ります。」
「あぁ、あと出勤日についてなんだけどここの店舗は、毎週水曜日が定休日なんだけどいつ出勤できるかな??」
「私いつでも出勤はできます。大学の授業が確定したら変わるかもですが・・・。」
「おーけーおーけー。そうしたら連絡先貰えるかな??シフトについてはそこで話し合おう。1週間後の予定を教えてくれればいいよ。」
「わかりました。」
「じゃあ、メニューについて説明するね・・・。」
こうして、採用されメニューを説明されて、私は店を後にした。
20XX年4月6日9時46分。喫茶店『CAFETERIA 4696』。
「どうだい・・・??新人の子は。」
「そうだな。あの子の異能力はおそらく相当強力だね。人間的にもいいと思うよ。」
「そうか。そうしたらまぁ、しばらくは大丈夫そうか。」
20XX年4月6日10時6分。横浜駅周辺。
「あ、そうだ。バイト採用されたことみんなに伝えておかなくちゃ・・・。」
これは私がこのカフェで働いて行く日常の物語。
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