夏の肌裡(きり)、滴る記憶
やまなし
夏の肌裡(きり)、滴る記憶
溶けた氷菓の甘さは遠く、宵の肌に、透きゆく雫。
蝉時雨、肌に刻みし熱の波。指先を這う、君の汗粒。
潮の香は微かな背息、砂に映す君の踵、波に散る。
光降る水面は揺らぐ、肌の翳。スマホに映す、君の揺れる影。
遠雷がグラスを震わせ、甘い痺れは熱を呼ぶ指。
風の道、濡れた髪の残り香に、夏は閉じる、湿度の肌裏。
指の先、這う露の線。熱帯夜の、肌理(きめ)の美しき迷宮。
記憶から、焼けた肌へと落ちる一滴。渇き満たすは、淡き痛み。
夢の淵、君の声、波に溶けゆく。夜明けの肌は、静かな温度。
白む空、君は遠き幻。夏は肌裡に、深く沈む
夏の肌裡(きり)、滴る記憶 やまなし @yananashi
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