食性の変質

 早朝の街。


 かぁー、かぁー、と烏の鳴き声と、やかましい羽撃き音が聞こえる。

 音が聞こえてきた方を見て、私は思わず悲鳴を上げた。


 烏が、人型のなにかに群がって、嘴を突き立てていた。

 人型のなにか、というのは、それが最早、人間の形を保っているとは言えないからだ。


 烏に突かれ、身体の多くを欠損させたそれは、人間の死体だったのだ。

 おそらくは飛び降り自殺。深夜に飛び降りて、早朝に烏が発見した、ということなんだろう。


 嫌な気分になりながら、警察に通報した。

 この日以降、この地域では烏が人間に襲いかかるようになったらしい。


 おそらく、美味かったんだろう。

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