番外編 【煙環《えんかん》の檻《おり》】



●【作者】ぐるこ☆(スター)さみん

●【作品タイトル】『煙檻えんかんおり

●【男女比率】男1/女性1/(2人台本)

●【目安時間】 約30分

●【ジャンル】 ネオ・ミソロジカル・ラメント・ダークファンタジー

●【配役一覧】(敬称略)

ロキ(♂)→

神皇産霊神カミムスビノカミ&???(兼役)(♀)→


──────────────

神皇産霊神カミムスビノカミ(タイトルコール)

作者 ぐるこ☆《スター》さみん


欺神ボクの最低最高のこい

―境界ノ座に咲ク祈リと嘘―】 シリーズ 番外編


煙環えんかんおり




ロキ(独白・詩的モノローグ)


────あの女神オンナの話をしよう。




───ボクはあの女神オンナの笑顔が嫌いだ。




触れれば心を焼く、目をそらせぬ微笑みと

ヒトをもてあそんでたのしげに遊ぶ

あの声がボクの心をき乱す。



あの女神オンナの屋敷へと向かう足音は

静かにボクの魂を揺さぶって、

自由だと思っていた心は見えぬくさりからめ取られ、

暴れる事すらも許されない。



"理性"は叫ぶ、"あらがえ"、と。



でも、心は知らぬ間に揺れる"影"を追って、

まるで漆黒の水に沈められ、水面の月光を掴もうと

藻掻もがくように──

あらがう程に、あらがえぬ程に、

ボクは彼女におかされていく。




────嫌いだ……でも目が離せない。

──────逃げたい……でも近くにいたい。

─────────悔しい……悔しいのに、

胸の奥で【】がうずく。



嗚呼………どうしてこの"感情"と"想い"だけは

こんなにも胸を引き裂くように

苛立いらだってしまうのだろうか………???



その答えはまだ、ボクは知らない……──────




神皇産霊神カミムスビノカミ

「時間ピッタリやなぁ、道中ご苦労さんやで。

よう来はったなぁ、ロキはん」



ロキ(苦笑しながら扉を押し開ける)

「ははっ……相変わらずだな。

扉をくぐる前から漂ってくる、この甘ったるい煙草の煙だけで胸焼けしそうだよ。

なぁ、神皇産霊神カミムスビノカミ

────アンタ、客人を窒息させるのが趣味なのか?」



神皇産霊神カミムスビノカミ(意地悪く微笑みながら煙管をくゆらせ)

「ふふふ……アンタにその"渡り扉"の鍵をやっといて正解やったわ。

んーそやなぁ……客人を窒息させるんも

また一興いっきょうやけど……

何処どこぞの暇しっとた子には

良い刺激になったんとちゃう???」



ロキ(暇人の下りの途中から嫌嫌な感じで棒読み風に)

「はぁ???ふざけんな。

その暇人ってボクの事かなぁぁぁ???

それに違イマスー、ボクはただ通りすがりデスー。

ボクってば、これでも忙しいんだからさ~、

どぉぉおしてもアンタが来て欲しそうだったから

わざわざ忙しい中こうして時間を作って来て

やっただけですぅー」



神皇産霊神カミムスビノカミ(くすりと笑い、煙管の煙をフワリと吐く)

「ふふ、強情ごうじょうっぱりさんやなぁ……。

まあ、ええわ。ほら、部屋に入って座りなんし。

夜はまだまだ長いし始まったばっかや。

そんな気まぐれなアンタの

話し相手くらいなったたるから、ほれ、おいでおいで。」



ロキ(部屋に入って床に腰を下ろしながらも警戒)

「……アンタ、いきなりボクの神殿に来て

「ほれ、受け取りぃ」ってこの鍵を勝手にコッチの

意志関係なく、渡しといてそれかよ……。

つーか、アンタと何を話せばいいんだよ、

話さなくったってアンタには全部 筒抜つつぬけなんだし」



神皇産霊神カミムスビノカミ(肩をすくめ、床に座るロキをじっと見つめる)

「ん???別に筒抜つつぬけやっても"語り手"があるなしじゃ、"物語"は違うやろ???

アンタが話す気になったら、話し出したんで

良いんやし。

それに今、ロキはんが気になっとるんは………

アタシについてやろ???」



ロキ(顔を伏せて舌打ち)

「はぁあああ???!!!

だ、誰がアンタなんかを気になるかよ!!!

自意識過剰も程々にしろよ、ったく……」



神皇産霊神カミムスビノカミ(笑みを深める)

「ふふ……相変わらず素直になれへん

おぼこちゃんやなぁ。

もっと正直なったらええのに」



ロキ(ムスッとした顔で)

「そのおぼこちゃんてのめてくんない???

なんかイラァ☆ってすんだけど」



神皇産霊神カミムスビノカミ(クスクスと笑ってゆっくり煙管を床に置き、立ち上がる)

「はいはい、すまへんすまへん。

せやけど……アタシとおる間でも退屈せんように、

ロキはんを楽しませたろか???」



ロキ(心臓がドキリとする)

「……楽しませる……って………

何するつもりだ……???」



神皇産霊神カミムスビノカミ(にやりと笑い、手を広げる)

「そないに警戒せんでええんやで???

此処ここにおるんはアンタとアタシしかおらへん。

お互い、楽しい事は好き同士なんやから

仲良ぉしたろうと思ってなぁ………」



ロキ(絡み酒で泣き笑い交じりに)

「だぁからぁぁ……その時のオーディンの

クソジジィがぁさぁぁぁ~!!!

ボクに全部押し付けやがってぇぇ……!!!ヒック」



神皇産霊神カミムスビノカミ(キセルで煙を吐きながら相槌をして)

「はいはい、クソジジィな。

それもう今日15回くらい聞いた話やで???」



ロキ(指を突きつけ、酔っぱらいながら)

「どぅわぁかぁらぁぁぁ!!!

それであの陰険いんけん根暗ボッチのヘイルダムの

チビッコ詐欺ショタがぁぁぁって、ヒック……

聞いてんのかよぉぉぉぉ、神皇産霊神カミムスビノカミぃぃぃ!!! 

ちゃんと聞けってぇぇぇぇ!!!」



神皇産霊神カミムスビノカミ(わざと気の抜けた声で)

(そのヘイルダムの下りも、もう20回くらい

聞いたわ……)


「あーハイハイ、聞いとる聞いとる。嫌やったなぁ」




ロキ(盃を掲げて目を潤ませ、泣き上戸に)

「なんだよぉぉぉぉ???ボクの酒が飲めないって

言いたいわけぇぇ???ヒック……

うぅ…………ホント、マジムカつく……」



神皇産霊神カミムスビノカミ

「あーあー。

泣きながらからむなや。ほんまに子供やなぁ

それでも【】かいな、みっともない」



ロキ(急に笑い出し、笑い上戸に)

「ああん?!?!どぅわれがぁぁぁ全自動お騒がせ

ゴシップ生成神だってぇぇぇ!!!

子供扱いすんなぁ、ばぁぁぁか!!!

ふふふ………あはは!!!でもさぁ!!!

そんなアンタの顔を見てたらぁ腹立つけど笑えてくんだよなぁ!!!

綺麗な顔をしてえげつないからかなぁ???

あはは!!!!ウケるー!!!」



神皇産霊神カミムスビノカミ(肩をすくめる)

「……へーへー、もう好きなだけ笑っとき」



ロキ(泣き笑い混じりで、急に甘え声になって)

「…………でもさぁぁ……ヒック……

神皇産霊神カミムスビノカミってぇぇぇ、

綺麗な顔してんのに、いぃぃぃっつも上から

目線でぇマジでぇムカつくんだよ!!!

……ヒック……アンタ、なんでそんな毎回毎回、

余裕ぶってんだよぉ!!!

……ヒック……なぁ……なぁ……

そぉぉれ貸せよぉ……ボクも吸う……」



神皇産霊神カミムスビノカミ(煙管を渡して)

「ほれ、そないに横に体揺らしっとったら

酒が零れんで。

んん???それって………嗚呼、このキセルけ???

ええけんど………気ぃつけて吸わんと

アンタ、むせるで???」



ロキ(真剣に吸うが直後に大咳)

「はぁぁぁ???そんなヘマなんで………

げほっ!!!ごほっごほっ!!!!

ま、まっっずぅぅぅぅぅぅ!!????

……な、なにこれぇぇ!!!???

うぇえ!!!毒じゃねぇかぁ!!!」



神皇産霊神(笑いながら)

「ほら見て見ぃ、慣れんと皆そうなるんやから。

ああ、ちゃうちゃう。吸い方はそうやない。

こうやってな……ふーっ……とゆっくり吐くんや」



ロキ(真剣にマネして吸って今度は成功し、得意げに煙を吹きかける)

「えぇ……ホントにぃ???

そうやったって美味くなるわけって……

………お、ホントだ、こうしたら意外と

吸いやすいしイける…………。

ふぅー……へっへっへ……どぅぅーだぁあ!!!

今度はちゃんと出来ただろぉぉぉ???」



神皇産霊神カミムスビノカミ(煙を手で払いながら呆れる)

「はぁ…………あのなぁ……ロキはん。

異性に煙草の煙を吹きかけるんはな、

『今からお前を抱いてやる』っちゅう

意味なんやで???

アンタ、分かっとって言うとるんか???」



ロキ(ドヤ顔しながらニヤニヤ)

「へへっ…………ヒック……

へぇぇぇ、そーなのぉ???

でも安心しろよぉ!!!いくら絶世の美人でも

ボクはアンタじゃたないよーっだ!!!」



神皇産霊神カミムスビノカミ(煙管を持ったままじと目)

「……へぇ……よう言うたなぁ…………

このクソガキが。

今すぐにでもその体に分からせたっても

ええんやけど……あーもう眠くなっとるやん。

ほれほれ、酔っ払いすぎや。もうしまいやで。

さっさと隣の部屋で寝とき、布団はしとるから。」



ロキ(ごろんと布団に倒れ込んで

枕を抱えながらむにゃむにゃと)

「……やぁああだぁ……まだ寝たくないのに……

でも……まぶたまぶた

こんにちわってぇぇぇ……ヒック…………」



神皇産霊神カミムスビノカミ(掛け布団を掛けながら)

「ったく、ロキはんがこんなに酒が弱いとは

思わんかったわ。

……………おやすみ、ロキはん、良い夢を。」



ロキ(真っ暗な空間で目が覚め、眼科に広がる血溜まり)

「………あれ……此処ここは……???

なっ!!??此処ココは【】の!!!???」



???(神皇産霊神カミムスビノカミ兼役)

「フフフ……ロキ………

】、【】……

どれだけあざむこうとも【】だ………」



ロキ

「だ、黙れ!!!違う!!!

ボクは出来損ないでも、化け物でもない!!!

ボクは………ボクはただが!!!」



???(神皇産霊神カミムスビノカミ兼役)

「………裏切り者め………呪われろ………

許さない………よくも……殺したな……………」



ロキ(布団の中でうなされる)

「……やめろ……来るな……!!!

来るなぁぁぁああぁあああぁぁぁ!!!

違う……ボクは……違う……ボクじゃない……

……殺したのは……裏切ったのは……

】じゃ………………!!!」



神皇産霊神カミムスビノカミ(布団の横にしゃがみ込み、声をかける)

「……ロキ……ロキ……ロキはん、起きぃや」



ロキ

「……はぁっ……はぁっ……

………カミ、ムスビ………???

あれ………???今、ボク、は………???

なんで………布団に???

それに……今のは……………夢………???」



神皇産霊神カミムスビノカミ(布団の横にしゃがみ込み、頭を撫でながら声をかける)

「………アンタ、酔い潰れて寝よったんよ。

そんでアタシがこの部屋まで連れてきて

寝かせとったらロキはんの声がしたけ。

……酷くうなされよってから……大丈夫け???」



ロキ(震えた声で)

「……夢を見たんだ……

】が……ボクを責めて……

指差して笑うんだ……。

どれだけあざむこうとも……

】って………

凄いリアルで………あれは本当に夢、なのか???」



神皇産霊神カミムスビノカミ

「アンタ、酔った勢いで戸棚にあった

貢ぎ物の酒を手当り次第に出したよったけ、

そん時に【】をんでもうてたんやな……。

どうやら……ロキはんが飲んどった酒ん中に

八潮折之酒ヤシオリノサケ】が混じっとったみたいやな………」



ロキ

「【八潮折之酒ヤシオリノサケ】……???

なんだよそれ???」



神皇産霊神カミムスビノカミ

「この赤いつぼに入っとった

八潮折之酒ヤシオリノサケ】ちゅうんはな、

特別な神々の宴にだけ、きょうされる妖酒でな。

あの【禍津尾まがつび大蛇だいじゃ】の為に用意させたモンでな。

めばむほどに、相手の心の奥の

影がカオを出して、人をまどわして

】なんよ」



ロキ

「【禍津尾まがつび大蛇だいじゃ】って確か、スサなんちゃらって名前の

神霊しんれいが倒したってあの噂の???

それに【】???

何その趣味悪いやつ……」



神皇産霊神カミムスビノカミ

「せや、【三貴神みはしらのうずのみこ】の内の

一人である【素盞嗚尊スサノオノミコト】が

地上で悪さしとった邪竜【八岐大蛇ヤマタノオロチ】を

討伐する際に使った【】でな。

……コレは飲んだ相手の一番の望みを映し出し、

】させて、相手がひた隠しにしている

】を暴くんや」



ロキ

「うーわ、何そのマァジでキモい効果………。

それって下手な拷問よりタチ悪いじゃんか………

ボクんとこにも似たようなのはあるけど、

それよりえげつなくない???」



神皇産霊神カミムスビノカミ

「【】した望みは悪夢となり、

暴かれた【】は相手はさいなみ続ける……

コレはそう言う類の酒なんよ。

まだちぃっとばっかし体に残っとるやろ???

今水差し持ってきたるけん……」



ロキ(がばっと起きて、神皇産霊神の手を震えながらぎゅっと掴む)

「……行くな!!!!!

……頼む………行くな……

行かないで………下さい……お願い……だから、

今だけで良いから………此処ここにいろよ……」



神皇産霊神カミムスビノカミ(少し驚いて、それから優しく微笑む)

「……しゃあない子やな…………。

分かった、アンタが落ち着くまで此処ここにおったるけ。

そんな捨てられた迷子みたいな顔せんでええよ

安心しぃ、此処ここにはなぁんも

怖い事あらしまえへん」



ロキ

「………うん……ありがとうって誰が迷子だっ……

へっくしゅん!!!……うぅ………

…………なんか………寒い………」



神皇産霊神カミムスビノカミ(笑いながら布団を広げる)

「汗かいたのが急に冷えたんやな。

ほな、こっちに来ぃや。

布団広げて一緒に横なってあっためたるから」



ロキ(もぞもぞ潜り込みながら小声で)

「……むぅ………子供扱いすんなよ……」



神皇産霊神カミムスビノカミ(背中をトントン叩きながら)

「アタシにとったらアンタみたいな子は

まだまだお子様なんやから、子供扱いして当然やん。

ほれ、子供はちゃっちゃと寝ぇ」



ロキ(布団の中でバタバタしながら)

「うー狭い!!!狭いんだよォ!!!

お前の布団、狭いって!!!もっと広げろー!!!」



神皇産霊神カミムスビノカミ(苦笑しながら押さえる)

「しゃーないやん。この布団、一人分なんやから。

はいはい、暴れんでええ。

布団蹴ったら余計寒いやろ、おとなしゅうしぃ」



ロキ(拗ねた声で)

「……変なの……ボクはアンタの事、

大嫌いなのに……なのに…………」


(なんでこんなに安心するんだよ……)



神皇産霊神カミムスビノカミ(囁くように)

「フフフ……口で嫌うて心で甘える……。

それがロキはんやよ、アタシは嫌いやないで」



ロキ(ぶっきらぼうに言いながら)

「……ふん……あっそ………。

なぁ……神皇産霊神カミムスビノカミ………。」



神皇産霊神カミムスビノカミ(優しく頭を撫でながら)

「うん???なんや???」



ロキ(柔らかく呟くように)

「……アンタって意外と優しいよな……

もっとこう、冷酷冷徹なドS女神かと思ってたけど

思ってたよりずっと慈悲深いってか……」



神皇産霊神カミムスビノカミ(軽く笑みを浮かべ、首を傾げながら)

「そうけ???優しい……なぁ……。

アタシはロキはんが思うとるより、

ずぅっとコワい神さんなんやで???

よぉ【】って言われるしなぁ」



ロキ(少し俯き、指先で布をいじりながら)

「……そんなモン最初に会った時から知ってるよ。

思い出してもゾッとするよ。

でも………ただ……時々思うんだよ。

アンタは何でそんなに

】のかなって………。

創造神の一人の癖に……何でも出来て、

何でも知ってて、何でも分かってるのに、

なんかまるで…………

】みたいでさ………」



神皇産霊神カミムスビノカミ(目を細めてロキを見つめ、少しだけ声を落として)

「………ふぅん、ロキはんから見たら、

】はそないに映ってるんやなぁ………。

オモロイやん……まぁ、ロキはんのその問いに

もし一個、答えるんやったら………

】………とかやな………」



ロキ(こっくりこっくりと眠気で微睡(まどろ)みながら)

「ん………???

それって……どう言う意………味……???」



神皇産霊神カミムスビノカミ(微笑み、背をトントンしながら)

「……ほれほれ、うつろになっとるやん。

話はもう終いや、安心して寝ぇ。

もしまだ眠れんならそっと子守唄でも

口ずさんでやるけ」



ロキ(ようやく落ち着き、呼吸が寝息に変わっていく)

「だから……こ、ども、扱いすんなって…………

………すぅ…………すぅ……」



神皇産霊神カミムスビノカミ

「ふぅ……やっと寝よったか。

ほんま、酒癖の悪い子やで……

今度から程々ほどほどにせんとな……………」



(静けさの中、神皇産霊神は煙管に火を点け、寝タバコを楽しもうと起き上がる、その瞬間――)



ロキ(寝ぼけ声で手を伸ばし、布団をごそごそ)

「…………何してんだよ……」



神皇産霊神カミムスビノカミ(横目で見て、煙をくゆらせとロキに押し倒される)

「おや???起こしてもうたかいな???

何って、ただの寝る前の一服やけど…………

……どうしたん???まだ酔いが残っとて………

………何の真似マネや、ロキはん???」



ロキ

「……………別に……。

ただ、こうやってアンタの顔が見たかっただけだし」



神皇産霊神カミムスビノカミ(口元を緩め、意地悪に煙を吹く)

「ふぅん…………せやったら……

どいてくれへん???

アンタに押し倒されるんはこれで3回目やけど。

もしかして……シたくなったん???

“アタシじゃたん”言うとったんは、

何処どこの誰やったっけなぁ???」



ロキ(顔をしかめて虚ろな目で)

「……うるせぇ……そう言うんじゃねぇよ……。

ただ……アンタが………何処どこにも行かないって……

言っただろ……だから……一人にするなよ…」



神皇産霊神カミムスビノカミ(一瞬驚くが、やがてロキの髪を撫で、苦笑する)

「フフフ……まったく、ほんに手のかかる子。

寝ぼけながらもすがってくるなんて……

ほんま、どうしようも無いなぁ………

……………なぁ、"異神ロキ"……………」



(朝日の差し込み、鳥の声、軽く風でカーテンが揺れる)



ロキ(頭を押さえながらうめく)

「………ふが………知らない天井だぁ…………。

うぅ……頭がガンガンする……二日酔いか……

いや、記憶もヤバい……昨日確か………

しこたま神皇産霊神カミムスビノカミと酒を飲んでって………

……あれ……???え……????え???

ボク、なんで服着てな……何この……赤い跡……

って………ま、まさか……!!??」



神皇産霊神カミムスビノカミ(あくびをしながら起き上がる)

「ふぁ……起き抜けから、

けたたましいくらい元気やなぁ………。

おはようさん、ロキはん………。

アンタの顔、朝っぱらから百面相なっとるで???」



ロキ(最初冷静に返事をするがびっくりしつ飛び上がる)

「あ、嗚呼……おはよってっ……ちょ!!!???

な、ななななな何その格好!!??

え!!?えええええ!!??

も、もしかしてこれって朝チュンってやつ!!??」



神皇産霊神カミムスビノカミ(伸びをしながら煙管を口に咥える)

「……はぁ???

それに何ぃってそんなん見たら分かるやん??

はーだーかー……」



ロキ(赤面しながら首を振る)

「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁ!!??

やめろぉぉぉぉぉぉ!!!!!

それ以上言うなぁぁぁぁぁぁぁl!!!!!」



神皇産霊神カミムスビノカミ(布団からゆっくり起き上がり、笑いながら)

「なんやアンタ、昨日の事、覚えとらへんの???

あんなに可愛らしい声で鳴いとったのに。

ふふ……れた林檎みたいに

耳まで赤こうなって……」



ロキ(一通り叫んで、嫌な予感を察知して後ずさるロキ)

「いやぁぁぁぁぁ!!!見んな!!!

馬鹿!!変態!!ドS!!!

……で、でぇ……あ、あのー………

か、神皇産霊神カミムスビノカミサマ……つかぬ事を聞きますが……

な………なんですか、その手に持ってる

赤い筒みたいモノは……???」



神皇産霊神カミムスビノカミ

「んー????これはなぁ、知り合いから貰うた、

】とか言う、でなぁぁ。

ホラ、ロキはんが昨日の事を忘れとるし、

せやったら……これ使こうてもう一回と言わず、

何度でもちゃぁんとアンタのその体に

ぉかなぁって思ってなぁ……。

ホンマ可愛いなぁ……可哀想やなぁ………。

笑ったろか?笑ったろなぁ…………」



ロキ(血の気が引きながら布団から必死に手を伸ばすも、届かず)

「い、いいいやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

いいですぅぅぅぅぅぅ!!!!

ま、まままま間に合ってますぅううう!!!!」



神皇産霊神カミムスビノカミ

「フフフ、このアタシから

逃げれると思っとるん、ロキはん???

往生おうじょうしぃ、なぁ?????」



ロキ

「ひぃぃぃぃ!!!!

せめてちょとは優しくしてぇぇぇぇぇ!!!!!」



神皇産霊神カミムスビノカミ

(────暫くお待ちください)



ロキ(突然目を覚まし、ベッドの上で赤面し、周囲を見渡す)

「……はぁ……はぁ…ゆ、夢……だったのか……

よ、良かったぁぁぁぁ………。

つーか……なんちゅう夢見てんだよ……………。

夢オチだなんて某漫画の神様しか許されないぞ???

欲求不満な素人童貞をこじらせた

ティーンエイジャーかよ、ボクは……………。

しかもよりによってアイツとなんか……

うわぁマジ無いわぁ……って、

ん?何か手紙が置いてある……なにな………」



神皇産霊神カミムスビノカミ

「昨夜はどうも、【

遊びすぎて失神させてもうてすまへん、すまへん。

しっかし、ほんにアンタで遊ぶんは楽しいわぁ、

可愛えなぁ、可哀想やなぁ。

笑ったろか?笑ったろなぁ☆」



ロキ(天を仰ぎ、怒りと赤面で絶叫)

「……っ!?!?

…………ぁんの性格最悪最高の性悪女神ぃ!!

ちくしょう!!!

神皇産霊神カミムスビノカミぃぃぃぃ、覚えろよォォォォ!!」




神皇産霊神カミムスビノカミ

作者 ぐるこ☆《スター》さみん

欺神ボクの最低最高のこい

―境界ノ座に咲ク祈リと嘘―】 シリーズ 番外編


煙檻えんかんおり』 完。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【欺神《ボク》の最低最高の戀《こい》―境界ノ座に咲ク祈リと嘘―】 ぐるこ☆さみん @alice996602

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ