31曲目 あなたにとって私

 タイトル:異邦人

 歌:久保田早紀

 作詞・作曲:久保田早紀

 URL:https://www.youtube.com/watch?v=5raK_iAFrn8&list=RD5raK_iAFrn8&start_radio=1

 初聴:大学3年

 蓬葉No:1392

 蓬葉階級:2つ星/6つ星 



 こちらも古い曲。

 久保田早紀さんの代表歌です。1979年に発売。前回の「微笑がえし」の翌年です。西アジアや中央アジア、あるいは敦煌などの中国西部の砂漠地帯を思わせる曲調です。副題はシルクロードのテーマ。なお、アルベール•カミュの小説「異邦人」とは関係ないようです。

 イントロは中東地域を思わせます。以前、従姉の、まだ言葉も話さないくらいの子どもがトルコの曲を聴いておおよろこびしていたのですが、その時の曲を思い浮かべました。曲全体を通して流れている弦楽器らしき音は、「カービィのエアライド」の「サンドーラ」という曲を思わせます。



 1番サビの歌詞が印象的です。

【あなたにとって私 ただの通りすがり

 ちょっとふり向いてみただけの異邦人】



 異邦の、遠い曲のように見せて、実はすれ違いの曲と分かります。2番の歌詞も合わせて、「後朝きぬぎぬの朝」を思わせるような曲です。しかし、この曲の主体は「サヨナラ」を受け入れて悲しみを持て余しながら前にあゆむ。強いひとです。ある意味で、もっとも幸せな人かもしれません。こういう人は、稀有でしょうが。

 

「ちょっとふり向いてみただけ」

 そんな生半可な気持ちなら振り向くな。

 そう叫びたくなる気持ちをおさえこんで、さよならの手紙を書く主人公。美しいです。私なら、そうはなれない。かといって叫ぶこともできず、どうなるでしょう。

 


 久保田早紀さん(久米小百合)さんは、この曲を作り、歌った時、21歳。とてつもない才能だと思います。叔父は久保田淳さん。日本の和歌研究の第一人者と言ってよい方です。大学でレポートを作る時にはその著作に大いに助けられました。


静と動のバランスが心地いい。そんな曲です。


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わたしの愛した音楽を 蓬葉 yomoginoha @houtamiyasina

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