超能力者、異世界に転生し最強へ~大切なご主人様の野望(世界統一)を《叡智なる半全能》で叶えます!!~
冥焉
本編
第1話 プロローグ
──この世界に、全知全能の神などいなかった。
それは、ただの信仰の形。誰かの願い。あるいは恐れ。
だが――この日、この瞬間、エルトリア大陸に“唯一の全”が誕生する。
◆
かつての世界。
天城 静(あまぎ しずか)は、人類の兵器として生きた。
超能力実験により生まれた、制御不能の戦略兵器。少女の姿をしていても、その内側は破壊と孤独に満ちていた。
「戦場を終わらせろ」「神を模倣せよ」と命じられ、ただ命令通りに力を行使する日々。
そして、最後の作戦で、静は消えた。
――命令に従っただけの、終わり。
それは安らぎでも、救いでもなかった。
◆
「目を覚まして、我がしもべ。私の夢を叶えて」
まぶしい魔法陣の光の中で、静は目を覚ました。
肌寒い石床。魔法陣の中心に立つ、小さな少女――白銀の髪、紅い瞳。幼く見えて、威厳を宿すその姿。
「……ここは、どこ……?」
「ここは〈エルトリア〉。私はレティア=ヴァルグレイス。世界を征服する者」
「そしてあなたは、私のもの。あなたの力を、私に捧げなさい」
静の内側に眠る“力”が震えた。
この世界において、自分の存在は“兵器”ではなく、“忠義を誓う者”なのだと。
命令ではない。契約でもない。
これは……**「誓い」**だ。
「私の名は天城静。前の世界で神の真似事をしていた者」
「この命、この力、すべて――あなたの夢のために捧げます。ご主人様」
その瞬間、契約は結ばれた。
神々さえ脅かす唯一無二の力、《叡智なる半全能(セミ・オムニポテンス)》が世界に刻まれる。
そして、世界の運命が音を立てて軋み始めた――。
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