第6話 活動1日目の朝

 前泊で泊って1泊目。全然眠れなかった。ウトウトしたかと思ったら、急に冷蔵庫の音が鳴り出して起きてしまったり、またウトウトしたところで廊下を通った男性の話し声にビックリしてしまったり。もう12時半なのだから、廊下では静かにしてもらいたいものだ。

 夢を見たから眠ってはいたのだろうが、1時、2時、3時と1時間ごとに時計を見てしまった。なんでこんなに眠れないのだろう。ベッドに慣れていないせいだろうか。寝返りを打った後に、地震のように小刻みにゆらゆらするのが気持ち悪い。室温とかお布団の加減はちょうど良かったのだけれど。まあでも、眠れないのは緊張のせいだろうな。

 何しろ、洗濯はいつするか、そしてコインランドリーは混んでいないか、何をどこで食べるか、どの電車に乗るか、更に帰る日にスーツケースを入れておくコインロッカーを探しておかなければ、などと考え事が多すぎる。

 だが、これも良い思い出になるだろう。冒険はドキドキするがワクワクもする。楽しめ、私。

 6時20分に目が覚めた。もう7時には掃除機の音がガーガー聞こえてきてびっくり。こんなに早くから掃除するのか。

 部屋にある電子ケトルでお湯を沸かし、持ってきたカフェインレスコーヒーを淹れ、サンドイッチを食べた。乳酸菌飲料は、あまり美味しくなかったのでもう買わない。ヨーグルトが欲しいなあ。

 今日のボランティア活動は昼シフトである。新聞をスマホで読んだりして9時頃ホテルを出発した。


 大阪駅でコインロッカーを探したが、見つけられずに電車に乗った。帰りに探そう。西九条で乗り換え、桜島駅へ行った。桜島駅に着くと「万博臨時出場口」へと向かう通路が出来ていた。通路の入り口には7:30~14:00と書いてある。今は9:45だ。

 駅を出た。桜島駅の目の前にあるホテルには、3年くらい前に家族で泊ったのだ。懐かしい。

 駅の目の前にシャトルバス乗り場があるのに、ぐるりと回された。今は混雑していないが、混雑した場合の為の導線だろう。バス料金は、前もって「KANSAI MaaS」というアプリで支払っておいた。最初にシャトルバスの事を知った時、全て予約制だと思って予約の為にアプリを入れたのだが、桜島駅からだったら予約が要らないという事だった。それでも、朝の時間など混雑時には、支払い済みの人が優先的に乗れるという話だったので、先に支払っておいたのだ。この先は分からないけれど、とりあえず1日目の行きだけは絶対に乗ると思ったので。

 乗り場に着くと、KANSAI MaaSの人のレーンと、それ以外の人のレーンに分かれていた。アプリの「チケット」から「利用前」のところにあるシャトルバス券をタップし、表示される画面を見せてゲートを通過した。バスに乗り込むと、ちょうど席がいっぱいだったので、後ろの方に立って乗った。立つ人が2人くらいいる程度の混み具合で出発した。

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