庶民階級、魔法属性なしで入学したら、魔法学園最下層だったけど余裕で無双できました
私は一体誰なのか
最弱魔法、まさかの最強だった
「ここは…どこだ?」
俺はしばらく考えて理解した。
「あぁ、俺転生したんだ。」
大学の課題に追われ、睡眠不足でフラフラのまま深夜バイトに出掛けたあの日。
信号無視のトラックに跳ね飛ばされた俺は、いつの間にか異世界に転生にしてしまったようだ。
「はい、こんちは~。」
「あ?」
どこからか声が聞こえたが、辺りを見回しても何もいない。
「こっち!上!上を見ろ!」
「んぇ?」
そう言われたので上を見ると、青い空にブッダのような髪形をした人が、雲の間から出てきているのが分かった。
「うぇ!?」
「驚きすぎだろ!」
「え?勇者ヨシ〇コの仏?」
「その名を出すな!!色んな人も見てるんだからさ!著作権的にやばそうでしょ!」
「色んな人?他に誰もいないと思うけど。」
「あー…まぁ、それはこっちの話だから、置いといて。えー、あなたは、転生しました!」
仏が拍手をする。それをただ俺は茫然と見ていた。
「なんでそんな興味なさそうなのよ!面白そうでしょ異世界転生とか。」
「そうか…?」
「感性ずれてるなぁ…。なんかそっちの世界の人は異世界転生がどうのこうのって言ってるじゃんか。」
「まぁ、聞くけれど。俺は興味ない。」
「はぁ…。失敗だったか?でももう戻せないしなぁ。殺しちゃったもんなぁ…。」
「殺しちゃった!?お前意図的にあのトラックに俺を轢かせたのか!?」
「あーあーあーあー。なんでもないなんでもない!」
「てめぇ、ふざけんなよ!降りて来いよ!」
「無理ですぅ。降りられませんー。」
「一発ぶん殴ってやろうか!」
「仮にも仏だぞ!仏に対して殴りたいとはなんだ貴様!」
「殺されたんなら悪魔だろ!はき違えんなよ立場!」
「あー!もう拉致あかないな!私の話を一回聞きなさい!」
「聞いてられっか!」
「聞いて!頼むから!物語が進まない!」
「なんじゃそりゃ?とりあえず…。」
「聞けぇぇぇぇぇい!」
その仏の声で俺の顔面に強風が吹いてきた。腹立たしかったが、一回黙ることにした。
「はい、黙ったね?それキープしろよ?君を転生させたのは理由があります。それは…。」
「魔王討伐?」
「違いまーす。前にいた勇者が魔王自体は討伐したんで。」
いちいちウザい。
「正解は、今後現れるであろう転生希望者がこの世界にきて問題ないかテストするためです!」
「は?実験体ってこと?」
「…まぁ、それでだね…。」
「話逸らすなよ!」
「一回!一回最後まで聞いて!ね?」
もう一度俺は黙ってやった。
「君のステータスが書かれた紙あげるから、これ読んで。」
すると仏がペラっと紙を落としてきた。
「…なになにぃ?」
自分の詳細
名前:レン=アルディス
年齢:13
住所:この先にある村の一つの家。
家柄:庶民階級
所属:魔法学園:アルストリア
使用魔法:
魔法属性:なし
世界の詳細
国の名前:アル=ゼルディア王国
世界の名前:マギ=エコノミア
特徴:魔法によってすべてが管理されている。魔法の力=権力。
「魔法属性なしってどういうことだよ。本来、水とか火とかそんなんが入るんじゃないの?」
「あー、
「そうなんだ。この
「…。」
「仏?答えろよ。」
「…いです。」
「なんて?」
「弱いです!」
「はぁ?」
俺は仏を睨むことしかできなかった。
「で、でもー。
「その使いこなすのか難しいんだろ?」
「…ピンポーン。」
「はぁ…。」
さらに俺はこの状況がヤバいことに気づく。
「しかも"魔法によってすべてが管理されている。魔法の力=権力。"って、世界の特徴に書いてあるじゃん!ってことは俺って…。」
「最底辺☆」
俺は地面を勢いよく殴った。
「ついでに言うと…。」
「まだなんかあるのか?」
「明日からその学園に通うことになるけれど…。最下層の階級に所属することになります!」
「あ!?」
「なんなら…。貴族が上層の階級に所属してるから、いじめられるかも!」
「終わった…。マジで終わった。」
俺はもうあきれて仏に対して何も言えなかった。
「安心して!村はこの先進んだらあるし、学校の迎えも入学初日ってことであるだろうから!学校は寮生だし、心配することないさ!」
「心配しかねぇよ!クソが!」
出会って数分しかしていない奴に殺意が湧いたのは初めてだった。しかも、寄りにもよって仏である。
「でも、おかしいな。」
「何が?」
「仏って仏教ってイメージあるし、この世界のイメージとかけ離れてないか?世界の名前もカタカナだし。」
「…いやたまたまよ…?」
「何か隠してるな?…もしかして、この世界を作ったのはお前じゃなくて別にいるとか…?」
「そぉんなことないよ!俺が作りました!俺の世界です!」
「本当か…?」
そんな会話をしていると、仏のいる雲から別の人が現れた。見た目は、長い白髪の杖を持ったおじいさんだ。
「順調か?」
「ゼ、ゼウス様!?」
ゼウス。聞いたことがある。確かギリシア神話の最高神だ。
「なぜ、ここに?」
「私が頼んだろう?私の作ったこの世界に、お前が転生しろと。一番人間に近いお前が生活できれば、今後転生を希望する者には、一定の条件付きでこの世界に転生させると、言ったではないか。」
「えっとー…代わりにこちらの人間を…。」
ゼウスは俺の方を見て、状況を察したらしい。
「己!何をしとる!本物の人間を私の許可なしに転生しおって!」
「ひぃ!転生するのが怖かったんですよぉ…。慈悲をください慈悲を~。」
仏、とてつもなく頼りない。さらに追い詰めてやろう。
「しかもそいつ、俺のことわざわざ殺したんですよ?」
「おまっ!余計なこと言うな!」
「なんだと、貴様!わざわざ人間を殺したというのか!お主のために!お前には失望した!」
そう言うと、ゼウスは申し訳なさそうにこちらを見た。
「すまなかった。こちら側の手違いで、お主を異世界へ連れてきてしまったようだ。」
「は、はぁ…。」
「でも特別なことはせんでよい!ただ学校に行き、その後は家の職業を手伝うなりなんなりして生涯を全うしてくれ。」
「でも、
「何?
「…はい。」
「仏…。十分な予算は渡したはずだぞ?どうなっとる!」
「す!すみません!私のへそくりに…。」
「何をしておる!!」
本当に仏、何をしてんだ。
「ただの人間に我々神が使う
あぁ、
「すまない、この通りだ!」
ゼウスは俺に深々と頭を下げた。
「あぁ、いえいえ…。」
内心ふざけんなと正直思っていたが、ここまで神に謝られると、何をされても許す気になる。
「ちと難しいかもしれんが…。見た感じお主に体力はあるようだ。もしかすると、まぁ可能性は低いが、
「はいぃ…。」
仏の情けない声と共に雲は消え、空一面が青色になった。どうやら俺はこれからこの不利な状況で生活していかないといけないらしい。まぁ、
「
前に神が使っていた魔法だ。使いこなせれば、無双できるかもしれない。
「そうだ。試しに一回使ってみるか。」
杖のようなものがないかと探っていると、自分のポケットの中に今にも折れそうな木の棒が入っていた。比較的太い方を持ち、こんなんで良いのかと思いながら近くの木の前に立つ。転生した時から記憶にある、恐らく俺が転生する前のレンが覚えた呪文を、その木に向かって打ってみることにしたのだ。
「レイク!」
そう俺が言うと物凄い衝撃波が俺の身体を襲った。でも…。
「このくらいなら…いける!」
そう思って前を向くと、その光景に目を疑った。
ある程度の大きさのあったあの木が粉々になって砕けていたのだ。
レイク
対象の「存在圧」を握り潰す魔法。物体でも魔力でも精神でも、“この世界に存在している”という圧力を点で捉えて圧殺する。
▶ 小石も大岩も、同じ“存在圧”なら同様に砕ける。
「嘘…だろ?」
俺はその時に確信した。
「俺、この世界で無双できるわ。」
他の魔法も次々に試してみた。確かに体に負荷はかかる。しかし、大したことはない。このぐらいなら耐えられる。
「いける!いけるぞ!」
俺は甲高い声で笑うと共に、内に秘めた自らの野心が暴れ出す感覚に高揚した。
「貴族?そんなの知らないね。俺が学園をいや、この世界の常識をぶっ壊してやる!」
意気揚々とした俺は、猛スピードで家へと向かった。
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この度初めて小説を投稿します!『私は一体誰なのか』です!この作品面白そう!今後の展開も見たい!そう思ってくださった方は、♡や☆で応援してくださると嬉しいです!レビューも待ってます!誤字脱字、表現の間違いなどで読みにくいところがあったらすみません…。何卒よろしくお願いいたします!
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