もしも



わたしの中にいる透明な人よ

あなたはきっと魂なのだろう

魂とよばれるものなのだろう


わたしの中にいる透明な人よ

あなたは時折りすがたを現す

わたしはそんなとき

心という偽りを棄てて耳をすます

遠い水の音を聴くように。


久遠からの旅路を

あなたに刻まれたよろこびを

あなたに刻まれたかなしみを


感じていよう

今夜

わたしが消えていく

この束の間のひとときに


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