一日中

私はベッド

　私はベッド。

　少女が寝るベッド。

　最近一人で寝れるようになった少女のために買われたベッド。

　少女は寝る。

　たくさんの事を抱えたまま。

　独りで。

　一人で。

　ひとりで寝る。

　ミサンガはまだ切れないだろう。

　布団はかけて寝ないと風邪をひくだろう。

　一日中。

　少女はなにを見てきたのだろうか。

　私には知ることはできない。

　夢も、景色も、世界でさえも。

　でも、少女を見ることはできる。

　だから、大丈夫。

　明日も同じような一日を過ごすのだろう。

　どんな日々か私は知らないが。

　生きて寝てを繰り返すのも悪くないと思う。

　だってそのために、私は存在しているのだから。

　一日中は見れないが、この寝顔を視るために私は存在しているのだと、教えてくれたのは少女。

　そう、君だから。