俺はテーブル

 俺はテーブル。

 親のものとしてのテーブル。

 だってそうでしょ?

 叩かれて、蹴られて、ご飯も俺だけ質素。

 どうして?

 ねぇ、どうして?

 だから、俺はいじめるしかなかった。

 奪うしかなかった。

 精神的に支柱を作るために。

 ご飯をしっかり食べるために。

 俺はテーブル。

 ただのテーブル。

 だから、しょうがない。

 そう、これはしょうがない。

 俺はテーブルなのだから。

 俺の家では父親が母親を殴り、母親が俺を叩く。

 この怒りはぶつけられるものなのだ。

 いや、ぶつけないと生きていけなかった。

 俺は、もう、嫌になってきた。

 いじめたやつはこんな経験をしてないだろうな。

 ミサンガを買ってもらうような家庭だもんな。

 俺は羨ましかったのかもしれないな。

 ごめん。

 謝っても許してくれないのは分かってる。

 むしろ、許さないでほしい。

 許されることを目指して俺は、生きていけるから。

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