出会い系サイトを利用したらそこは男おいどんの世界だった
地響
第1話 プロローグ
俺は、東大路一郎、男やもめの45歳。
学生の頃人並みに恋愛経験はあるものの、ある日「他に好きな人が出来たの」と彼女にこっ酷く振られた。
彼女との関係は3年近く続いていたが、プラトニックなお付き合いで最後までは未経験だった。
それ以降、女性との接し方に迷い距離を取ってしまい、とんと恋愛にご縁がない。
彼女は、今風に言うとハイスペなイケメン?(顔は知らないけど、多分俺よりいい男なのだろう)にNTRれたのだ。が、まぁそんな過去の話はどうでも良い。
勤め先がブラック企業で、若い頃は月100時間以上の残業は日常茶飯事だった。
しかも役員様から、「君ら、残業はプロとして恥ずかしく無い時間を申請しなさい。当然、ミスや手戻りもあるだろうが、そこを堂々と申請できるか、ココロの声に従いなさい。」などと言う訓示を賜ってきたものだから、36協定の月40時間で申請するのが当然の生き方だった。
そんな出会いも休日もない人生を馬車馬の様に駆け抜けて来た。
しかしだからといって性欲がなくなるわけでは無い。
三十路も後半になり、自分の裁量で仕事を回せるようになってから,土日のどちらかは自由に使える様になった。
丁度その頃、労働組合で仙台支社の庄司という男と知り合っちた。
この男無類の好きもので、団交で東京に来るたびに吉原へ通っていた。勿論既婚者である。
団交の後は決まって、両手で胸をモミモミするポーズをしながら'東大寺さん行きましょうよ'と声を掛けてきた。
童貞だった俺はセックスも吉原をよく知らず、性病も怖かった事もあり最初は断っていた。が、ある時遂に欲望に抗いきれず、誘いにのって同行してしまった。
俺は童貞を吉原で捨てた素人童貞である。
四十代になり、お互い管理職となり組合から抜けると庄司は東京に来ることがなくなり、吉原に誘われる事は無くなった。
そうなると人とは現金なもので、俺は返って自由に通う様になって行った。
貧乏性の俺は、激安店にばかり通い、パネマジを心眼で見極めていい娘に当たるのを楽しみにしていた。
しかしある時、突然、贔屓にしていた激安店が閉店してしまった。
俺はどうしようかと迷ったが、心眼でいい娘を見抜くのに少し疲れていたこともあり、もうちょっとお高い店迄守備範囲を広げる事にした。
そこで俺は運命の娘に出会ってしまった。
嬢の名前は、はるこちゃんと言った。今時にしては珍しいちょっと古風な名前だ。
派手な美人というより、ひたすら清楚で綺麗な人だった。
色白でスタイルは細身、おっぱいは丁度手のひらに収まるサイズで程良い感じ。
ディープキスをしながら弄ると、可愛い声を上げ、その愛らしい声で、リアルに感じているように思えた。
口数は少なく、声も小さいが兎に角癒された。
2年程経った頃、はるこちゃんから、退店を打ち明けられた。
業界から身を引くのかと焦ったが、高級店に移るのだそうだ。それを聞いてホッとしたがちょっと困った事になったと感じた。
要は足繁く通うにはフトコロが厳しいのだ。
いずれにしても彼女は一旦今の店を辞めてから次の店に出るまで少し間が空くのだそうだ。
毎日通ってたわけでも無いのに、会えないとなると、無性に人恋しくなるものである。
どうしたものかと俺は思い悩んだ挙句、新たな出会いを求めてソープをネット検索していたが、その際よく現れる広告に目が止まった。
出会い系サイトである。謳い文句はソープより安くやれます。
「そうだ、この機会に、セフレを作ろう」
その方が癒しもあってコスパがいいに違いない!
今更結婚でも無いだろうし、マジな方々に迷惑かけたく無いのでガチ系のアプリではなくPQuXと言うセフレ目的が多いと評判なゆるいアプリを選択した。
俺は期待に胸を膨らませて早速アカウントを作成したのだった。
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