ゼリー・フィッシュ・クイーン
『ピロリロリロリロキン』
『ピロリロリロリロキン』
『ピロリロリロリロキン』
私は、一気にレベルを3つ上げた。
最初のレベルアップで得たのは、オートマップだった。
視覚の右下に丸いマップの表示が現れて。私が三年で得たマップは、この星の十京分の一も満たして無かった。
次に得たのは、鑑定だった。
最初に鑑定したのは、ウツボではなく。シー・サーペントで。体長は、60mオーバーを表示いていた。
コイツよりデカイ私は、75mオーバーのゼリー・フィッシュ・クイーンと言う名の、化け物だ。
ステータスは、圧倒的にシー・サーペントが上で、弱点が毒でなければ、私は勝ててなかったのだろう。
最後に、アイテムボックスの拡大だった。
クラーケンが2杯と水圧推進用の水を大量に入れていたのだが。四倍くらいに、大きくなった。
シー・サーペントを、食する。
念の為に、もう一度毒針を頭部に刺して、紫色に変色させ、クチバシ状の口が、鱗を剥がしながら、骨まで美味しく食べた。
水魔法(極)を得た。
コレで、少し納得する事が出来た。
シー・サーペントが、飛ばしていたのは水魔法で。ドリルのように尖った水の小さな渦が、私を攻撃したのだが。私が、深く潜る事で、攻撃を回避していたのか。
他にも、魔法が出来そうだった。
空中浮遊を得た。
空中に浮く事が出来たが。警告のアラートが流れた。
『Warning』の文字が、視界に現れて。頭の中で、『ブーブーブー』と、警告音が鳴り響いた。
深海へ潜った時と同じで、皮膚が薄く気圧にも耐えられなかった。
ドラゴンの鱗を、身に纏うと。『Warning』の表示も、頭の中の警告音も消えた。
白く透け透けのクラゲが、空中に浮いている。
ランダムで、体の一部を点滅させながら、75mオーバーの化け物が、ドンドン高度を上げていく。
気付くと、この星が丸い事を教えてくれた。
海が広く、陸地や島も遠くにあった。
擬人化も得た。
シー・サーペントのドラゴンにも、なれるみたいだが。擬人化は、一番時間がかかった。
眉の形が、納得できないだけで、一から作り直し。髪の毛だけをとっても、身長や体形を意識した。
結論が出ることも無く。人でいいのかも悩んだ。エルフやドワーフ、獣人などがいたら。敵対関係にあったら、私が火種で、戦争に発展したら困る。
取り敢えず、人を模した形にして。顔は、四角い目だけを残し、仮面のように、ツルツルにして、髪の毛は、夜会巻きにして、後ろでまとめた。手足はモデルのように細く長く整えて、180cmにした。胸は大きく垂れるほどに、願望を詰め込み、ウエストは細くした。お尻は、丸く、丸く、ひたすら丸く、作り上げた。
肌に、色は付けず。白く透明なゲルのまま、体は心臓の鼓動とともに、ランダムで点滅した。
集中していると、時の流れに気付かず。辺りは、暗くなりつつ。 遠くの半島のような陸地では、街があるのか。明かりが灯り始めて。いくつかの集落がある事を認知した。
もう一つ、海中から、赤く点滅するモノが、私を呼んでいた。
レベルアップした私は、興味津々で深海へと向かった。
赤い点滅は、いくつも有り。クラゲの私よりも大きくなって行く。
海底は、まだまだ先だが。赤い点滅は、かなりの大きさだった。
動く気配は無く、待ち伏せているのか。
何処まで、近づけるのかを、ドキドキしながら潜っていくと。
海底は、船の墓場だった。
様々な船の形があり、ガレー、キャラック、ガレオン、全てが帆船で。動力のスクリューや、丸いパドルも無い。
赤い点滅は、救命灯なのか。水晶の玉のようなものが、点滅を繰り返している。
そのまま、船の中を散策していると、人の痕跡が幾つもある。フルプレートのメイルに、人物の肖像画、死体もチラホラと出て来た。
私は、船を触り。そのままアイテムボックスへ入れた。船の中に巣を作っていたモノ達が、一斉に、動き始めて。海底の土が舞い上がった。
どうやら、生き物はアイテムボックスに、入らないらしい。
だが、次々と帆船をアイテムボックスへ入れて。なるべく、点滅していない船を選び、32隻目で、アイテムボックスが満タンになった。
私は、勝ち確を得ながら、海から出て、陸地へと向かった。
先ほど見つけた、半島の平原に降り立ち。一艘のガレオン船を取り出した。
『ドーン』
オーロレイ号、この船の名だ。
平原に、取り出したから、そのまま横に倒れてしまった。
私は、急いで船のキッチンへと向い。火起こしの道具を手にした。
『炎のロッド』を手にした私は、松明代わりにして、船の中を散策した。
真っ暗な深海とは違い、明かりを手にしたので、散策しやすく。鑑定をしながら、ゆっくりと見て回ることができた。
地球にいた人類とは変わらず、2mを超える人類は稀で、平均が170cm前後なのだろう。鉄製だが、錆一つ無いフルプレートに、動き続けている時計。船が、倒れたのに、陶器や皿は、割れてなかった。
コレ全てに、魔法が掛けられていて、私の身長を超す陶器の壺は、綺麗な天使が描かれていて、食堂の入り口に固定されていた。私が驚いたのは、食料だった。
大きな、業務用の冷蔵庫みたいな物の中に、食料が、大量に入っていて。肉や魚が、新鮮に保管されている。
私は、ガレオン船のスペースに、あらゆるものを入れて、ペンペン草を生やそうとした。
倉庫にも、食料が有り。大量の小麦やワインが、当時のまま保管されている。
見渡す限りの大樽が、563本に、ボトルが3万9000本と、飲みきれない量のワインが積まれていた。
途中で、横に倒れた船の底へ辿り着いた。
大穴が空き、ここから浸水したのだろうか、ここだけ草が生えていた。
だが、私が、求めている場所は、ここでは無く。船長室だ。
「あの時に、アイテムボックスへ、入れて置くべきだったか」
私は、オートマップを見ながら、ガレオン船の中を、迷子になっていた。
甲板に出て、上に部屋がある事を知り、そちらへ向かった。
私は、船長室へ辿り着くことができた。
船長室のテーブルにいたある、地図を広げた。
私のオートマップは、格段に広がり。途中に、黒塗りの部分も現れた。
私が、求めていたのは、航海日誌だ。
広げると、文字を読むことができた。
知らない文字だが、読み解くことができた。
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