第9話 親子面談

「九条先生、お忙しい中すみません、どうぞ中へ」

 中に入って来たのはスーツをバシッと決めた中年男性だった。

「君が城守くんだね、始めまして、光輝の父親の九条 優馬(くじょう ゆうま)と申します」

「始めまして…(思っていたより普通の親だな)」

「光輝…こっちに来い」

 光輝がゆっくりと立ち上がり、優馬さんの側に近づく。

バシッ

 優馬さんが光輝の頬を思いっ切り叩いた。

「このバカ息子が!人様にまた迷惑をかけおって、この九条家の恥さらしが!城守くん、うちのバカが迷惑をかけて、本当にすまなかった!ほら、お前も頭を下げろ!」

 髪の毛を鷲掴みし、光輝の頭を無理矢理下げさせる。

「いえいえ、僕は大丈夫です(流石に、許さん!!とは言えないな。そんな事より父親が常識人で良かった)」

「あの、ここではアレなので、良かったら応接室まで来て下さい」


 応接室まで移動し、椅子に腰掛ける。

「教頭先生、すみません。少し込み入った話をするので、少し席を外して貰って良いですか?」

「分かりました」

 優馬さんがゆっくりとイスに座り、手のひらを机の上に置き、もう一度深々と頭を下げた。

「改めて、今回はうちの息子が迷惑をかけてしまい、本当に申し訳ございませんでした」

「あなたの誠意は分かりましたから、もう顔を上げて下さい」

「親父やめてくれよ、みっともないだろ?」

「貴様!」

ガシッ バシンッ

 胸ぐらを掴み、重い一撃をかます。

「被害に遭われた女性には、今後一切手を出せないように、コイツを退学させます」

「えー、いやだよ親父」

「お前という人間は!どれだけ自分勝手なんだ、もう少年院に入れるぞ?」

「入れたら、一族の顔に泥を塗る事になるけどいいのか?親父wまぁ、どうせ、爺ちゃんか叔父さんが釈放してくれるだろw」

「チッ、お前…」

 思わず光輝を睨みつける。

「おおーと、怖い怖いw」

「さっきから、親にだけ謝らせてヘラヘラしやがって、お前は何様のつもりだ!」

「さぁな?九条家に産まれて、お前ら平民と違って優遇されてる、それだけの話だ」

 また、頭にスーーと血が上って来た。

「もう、我慢できねぇ」

 拳を振りかざし、光輝に殴りかかろうとする。

「好きなように暴れれば?どうせ死ぬんだし」

「は?どういう事だよ」

スチャ

 優馬さんに拳銃を構える。

「え?九条さん、どういうつもりですか?」

「すまない……コレも一族の為なんだ」

「(本当に殺る目をしている)ッ!誰か、助けてくれ!」

「無理だな、この学校は九条家が支援してるからな、だからここの校長は俺たちに頭が上がらない、教頭もそうだ、だから、誰もお前を助けたりしない、わかるな?」

「(何か、打開策を……)」

 




 







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