ダメエルフ、スラムのガキ拾って珍道中!
- ★★★ Excellent!!!
この物語は、最初からすごく引き込まれる雰囲気があって、主人公の気まぐれから始まる人助けが、とても自然で面白いなと感じました。スラムの子供たちとのやり取りや、彼女たちを助手にしてしまう流れも、ごく普通の日常のひとコマみたいに感じられて、重苦しさや説教臭さがなく、読んでいてとても心地よいです。
主人公も、最初は「無視しよう」とか「めんどくさい」と思いながらも、気がつけばガキたちの面倒を見る羽目になっているあたりが、本当に“人間らしい”というか、ちょっとダメな大人感があって好きです。最初は冷たい態度を取るけど、どこかほっとけない性格がにじみ出ていて、気がつけば読者も「この人、なんだかんだでいい奴だな」と思ってしまうはず。
子供たちも、一人ひとり個性がはっきりしていて、やり取りがとても楽しいです。天然で素直なメル、忠犬みたいなシンシア、そしてちょっとワケありでツンケンしているギルネリーゼ。会話が自然体で、掛け合いもテンポが良く、読んでいて思わずクスッと笑ってしまう場面がいくつもありました。
ギルネリーゼの過去のシーンは重たさもあるけれど、描写が細かくて感情移入しやすいし、その分、今の彼女が「ちょっと不器用だけど本当は優しい」っていうのが伝わってきます。辛い経験をしたからこそ、人の痛みに敏感なんだなって、自然と読者も応援したくなるキャラです。
また、主人公とガキたちの日常のやり取りも微笑ましくて、「服を買いに行く」とか「町でトラブルに巻き込まれる」といったシーンもどこか温かみがあって、全体的に重くなりすぎず、物語に“やさしい空気”が流れています。時々ちょっとトラブルも起こるけど、主人公が持ち前の魔法や機転でなんとかしてしまうので、安心して読めるのも良いところ。
馬車のシーンで横柄な冒険者に絡まれるくだりも、しんどくなりそうな場面なのに、主人公がさらっと浄化魔法で切り返したり、「お金で解決」したりと、イヤな空気を長引かせない工夫がされています。ガキたちがしっかり守られている感じがして、ちょっとほっこりしました。
全体を通して、
・キャラ同士の距離感やテンポがよくて、会話が生き生きしている
・過去話は重いけど、今のほんわかした空気のおかげで暗くなりすぎない
・主人公の「ダメさ」と「やさしさ」のバランスが絶妙
・子供たちも素直で可愛らしく、応援したくなる存在になっている
・笑いどころ、ほっこりポイントが所々にちりばめられていて読みやすい
子供たちの成長や、主人公のダメな大人ぶりに読者がクスリと笑えるような、優しい物語をこのまま続けていってほしいです。
とても読みやすく、キャラに愛着のわく良いお話だと思います。