砂の書〜影の章〜 (異端)
『「砂の書」の記述の多くはオアシスに住まう人々のものである。だが、この章は異端とされる者たちの存在を示唆している。』
『獣』よ、群れよ、と書は説く。
だが、群れを離れ、ただ独り砂漠を歩く者たちがいる。
彼らは『陽』に焼かれながらも、『陽』そのものを崇拝する「陽灼けの民」。
彼らは翠点を「星の涙」と呼び、砂漠こそが真の姿であると信じている。
『獣』よ、オアシスを繋げ、と書は説く。
だが、あえて地下の『遺骸』と同化する者たちがいる。
彼らは『菌糸』の網に自ら接続し、人ならざる知を得た「泥潜り」。
彼らは『獣の時代』を「愚かな停滞」と呼び、第四の泥による『進化』を望んでいる。
『獣』よ、海を警戒せよ、と書は説く。
だが、自ら海辺に住まい、深海の『尖兵』と交わる者たちがいる。
彼らは『海』こそが生命の母であると信じ、「深海の嘆願」に応えようとする「回帰の民」。
彼らは第四の泥を「浄化」ではなく「帰郷」と呼ぶ。
彼らは我らの敵か、あるいは異なる道を行く『獣』か。
砂の書、その答えを記さず。
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