砂の書〜歪なるものの章〜 (生態系)
『この章は、砂漠に跋扈する生物や、地下遺跡に潜む異形の怪物についての記述である。』
星が『陽』に焼かれ、海の七割が砂と化した時、生命もまたその姿を変えた。
砂漠を生きる獣らは、水をその身に溜め込み、灼熱を弾く硬い殻を纏った。
彼らは『陽』の子らである。
星が『海』の嘆きに応え、三度の『泥』を溢れさせた時、生命は再び歪んだ。
『泥』に飲まれた生物は、光を忘れ、腐敗を糧とし、地を這う獣となった。
彼らは『泥』の子らである。
忘れるな。
我らもまた、乾きと泥濘の狭間で歪んだ存在であることを。
そして、最も警戒すべきは『海』より来たるもの。
彼らは我らとは異なる理で動く。『陽』を憎み、砂を呪い、オアシスの水を汚染する。
彼らは『陽』の子でも『泥』の子でもない。
彼らは、深海が放つ尖兵である。
もし海辺にて、硝子の鱗を持つ人影や、歩く珊瑚を見たならば、決して近づいてはならない。それは『深海の章』に記されし、侵略の先触れである。
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