第3話「神、メルカリに挑む」

◆1◆ 「金が……ない!!」


 


ベス「猫さん、なんか家から現金湧き出す呪文とか知らない?」


猫さん「知らん。湧いてくるのは請求書だけだ」 


 


ベス、リアルに震える。

神にあるまじき言葉が出る。


「カネがねぇ!!(#^ω^)」 


 


と、そのとき。

猫さんがスマホを差し出す。


 


「これ。“メルカリ”って言う。

物売ってカネ稼げ」


 


→ベス、目を輝かせる。

→スマホ操作を学習している風だが、明らかに指の動きが召喚術。


 





◆2◆ 「創世グッズ、いざ出品!」


 


【ベスの出品一覧】

・禁断の実レプリカ(神の手彫り)

・光る砂(“光を束ねた”と言ってるがたぶんラメ)

・エデンの石ころ(ただの玉川の石)

・創世期に着ていたマント(風呂敷)

・“世界のはじまり”が入ってる気がする壺(謎の陶器)


 


→出品コメントが全部中二病。


「これでアダムが最初に転んだ石です」

「この壺に宇宙の声が入ってます」

「神様の匂い付き♥」




 


猫さん「詐欺じゃねーか」

ベス「芸術は爆発なの(#^ω^)」 





◆3◆ 「発送という名の創造」


 


初めての注文が入る。

「禁断の実レプリカ希望」――購入者は中学生の女子。


 


→ベス、発送準備に全力を出す。


梱包材:宇宙創生の際に残った布(=押し入れの風呂敷)


メッセージカード:「あなたも神になれるわ♥」


梱包後、全体に神の気をかける(←発光して郵便局で怒られる)



 


郵便局員「中がピカピカしてるんですけど、これバッテリー入ってます?」

ベス「神力です(#^ω^)」 





◆4◆ 「バズる神、BANされる」


 


「創世グッズ販売アカウント」は一部で話題に。

が、ある日突然――


 


【アカウント停止】


「公序良俗に反する、または宗教的誤解を招く行為」


 


ベス、凍りつく。


「地球のほうが宗教過敏なんだけど!?!?(#^ω^)」


 


→レビュー欄に書かれたコメントが追い討ち。


『光る砂、ただのラメでした』 『壺、音鳴りませんでした』 『禁断の実、甘かった。バナナ味でした。』




 


猫さん「神が味覚外すな」

ベス「バナナって禁断っぽくない?(#^ω^)」


 




◆5◆ 「神、ネットの闇に震える」


 


その夜、SNSで“詐欺出品者”として炎上。


「神を名乗るやばいアカウント」


「創世神さん、現実見て」


「可愛くない孫だね〜」



→→→ベス、ベランダで布団被ってガチ落ち込み。


 


ベス「わたし、ちょっとこの星と合わない……」

猫さん「昨日も言ってた」 


 


→でも、猫さんがこっそり壺を飾ってくれていた。


ベス、にっこり。


「この星の人間も……たまにいいとこあるな……(#^ω^)」 

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