MoA:Rank14「vsグランディス」

ごきげんよう、マイグラント。


前回の闘いでは、精鋭を複数使った数的不利な戦闘でも勝利できてしまうことを、あなたは証明しました。

恐ろしい……同時に、非常に興味深い。


次の相手はTA“スマッシュ・ドルクス”

識別名“グランディス”


彼はムスペル重工業の廃星ネレイデス先遣隊、その隊員の一人です。

極めて重装備なタンク型TA……典型的な“ガチタン”を愛機としており、複数の無人TAとの協働によって高い実力を発揮します。

ですが、今までの指揮官型の人物とは異なり、彼は単騎でも部隊一つを相手に圧倒するほどの戦闘能力を保持しているようで、先遣隊内では最強だったようです。


以上となります。

シルヴィアは、あなたの働きに期待しています。
























 エンドレスロール 鋼の城塞跡

 巨大な塔の麓、城塞の屋根ごと内部全てをくり抜いたような、歪な箱庭で、重装タンク型のTAと相対する。

「懐かしい匂いだ。醜い、けれど私たちに捨てることは出来ない、歪な闘いの匂いだ」

 グランディスは諦観の混じった、郷愁に満ちた言葉を紡ぐ。

「なるほど……シュガーソイルの言う、本物の匂い、か。

 お前はせっかく新規範に、新たな生命として生まれ落ちたにも関わらず、そうやって怨愛の修羅擬きに昇華されてしまったのだな」

 こちらが強化パイルバンカーを吹かして応えると、グランディスは笑う。

「言葉は不要か……」

 グランディスが飛び出しながら、右腕のガトリングでこちらを狙ってくる。狙いこそ正確ではあるが、敢えて精度を落としているのか異様にばらつき、右に瞬間的ブーストで逃げると、グランディスは正面を取るように位置取り、平行を保ちながら左肩の六連装大型ミサイルと右肩の二連グレネードキャノンを放ち、こちらは左肩からフレアを展開してミサイルを欺瞞しつつ、攻め手の緩んでいる左体側面へ回り込んで左腕のブレード発振器を振り、光波を飛ばす。グランディスは左側へ瞬間的ブーストを行って光波から逃れつつ、左腕の三連装グレネードライフルを放って牽制し、こちらは退いて避けながら右腕のプラズマライフルを連射して削っていく。ガトリングの射撃を中止して砲身を冷却しつつプラズマの小爆発から逃れるようにブーストし、急反転して正面から突進し、速度を付けてグレネードライフルを撃ち放つ。こちらはなおも距離を取りながら光波で砲弾を切り捌いてプラズマライフルをチャージし、右肩のパルスキャノンであちらの進行先を狙って着弾させ、グランディスは爆風への被弾も躊躇せずに突き進む。パルスの爆風から脱すると同時にミサイルを斉射し、こちらは同じようにフレアを撒いてからパージし、前へ瞬間的ブーストして詰め、胴体部から衝撃波を発して直撃させ、さしもの重装甲タンクでも姿勢を崩されて短時間停止し、即座にチャージしたプラズマライフルを重ねて連続する爆発で硬直を延長し、左腕を振り抜いて光波を飛ばし、再び前へ踏み込みながらブレードを振り下ろして追撃する。あちらは機体の制御を取り戻すと同時に全てのブースターを展開して突進し、躱されると同時に上半身だけを反転して振り向き、離れながらガトリング、グレネードキャノン、グレネードライフルを同時に放ち、パルスキャノンで砲弾を破壊しつつ、全速力で突っ込んでガトリングの弾幕を弾きつつ接近していく。グランディスは小さく跳躍しながらドリフトを決めて即座に二連グレネードキャノンを撃ち、右に動いて躱した瞬間にチャージしたブレードを構えて二連続でブーストして接近しきり、至近距離であちらの胴体部を切り裂く。コックピット、ジェネレーターごと切断され、グランディスは押し飛ばされながら機能停止する。

「バロン、あなたは……いつまで……責務に、縛られるのだ……?」

 そう呟いて、爆散する。

『TA“スマッシュ・ドルクス”の撃破を確認。

 お疲れ様でした』

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