紅き契り、月下に咲く　―初恋を胸に、涙をこらえて、家を守るための花嫁になります―

都を襲う謎の病と飢饉。それを鎮める唯一の方法は――
鬼の家に「贄」として娘を差し出すこと。

名家の娘・桜は、幼い頃から心を寄せ合った蓮との約束を胸に、
家を、都を守るために鬼の家へ嫁ぐことを決意する。

だがそこに待ち受けていたのは、鬼の血をその身に注がれ、
魂を穢し尽くされる恐ろしい儀式。
幾夜も続く血の饗宴、鬼たちの冷たい瞳。
そして、桜の目の前に現れたのは――

「お前を守る」と誓った、あの日の蓮だった。

狂気と絶望の中で、桜はただ一途に願う。
彼を救いたい。愛を守りたい。
その祈りが、いつか奇跡を起こすと信じて――。

切なくも血腥い和風ダークロマンス。
初恋を、家を、そして都を守るために。
少女は鬼の花嫁となる。