第2話 孤独感
人類は孤独だろうか?
ずっと空を見上げて疑問に思っていた。
夜空を見上げれば、星々はきらめき、銀河が無数にある。
この星に生命がいるのなら、無数に広がる銀河のどこかに生命がいないのはおかしな話だ。だが、どんな望遠鏡を作ったところで、恒星の瞬き以外に見えることはなかった。
『誰かいないか? ここに我々がいる!』
メッセージを載せた飛翔体を飛ばしたのはいつのころだろうか――。
ずいぶん昔の話だ。
その後にメッセージは、飛翔体よりももっと早い電波を利用したものを使ってみた。だが、返事は帰ってこない。もっとも近い星にはすでに到達し、返信があるのであれば、文面を考えている時間は十分にあるはずだ。
その後、生命が存在する確率の高い星が見つかった。だが、そちらにもこちらの電波によるメッセージは、届いているはずだ。
夜空を見上げ、耳を傾けたところで声は聞こえない。
ひょっとしたら隣人も同じように、『誰かいないか?』と夜空を見上げ、耳を傾けているだけかもしれない。
だったら、隣人としてドアをたたいて挨拶をした方が、手っ取り早いかもしれない。
探査機などよりも人が直接向かうべきだろう。
そうすればいやでも、顔を見せてくれるかもしれない――。
訪問を待つよりも、こちらから出向いていくのだ。
すべての隣人が友好的ではないかもしれない。
ひょっとしたら拒絶されるかもしれないが、孤独よりも『誰かがいる』という安心感かある。
我々は肩を並べ、一緒に夜空を見上げる隣人がほしいのだ。
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