第5話
ショックを受けようが何だろうが、生きているから腹は減る。
お昼の時間になって、なにか無いかと淡い期待をしてみても根こそぎ無くなっていた。
(夜逃げのプロか)
昨日の夜から何も食べてなかったけど、所持金はテーブルに置かれた封筒の中身だけ。約30万。
これではどうしようも無いんだけど、安易に手をつける気にはならなかった。
「良かった。まだ電気は生きてる」
スマホを充電しながら、名刺の電話番号にかける。
文字通り賭ける。
2回目のコールで繋がった。
『はい、お電話ありがとうございます。こちら芸能事務所スターダムのプロデューサーです』
「昨日名刺貰ったんだけど……」
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