第4話
いつまでもほおけて居られない。
けれど、どうすればいいのか。社会人と呼ぶには幼く子供と扱うには微妙な年齢。
明日も普通があると思っていたし、無くなることは考えもしなかった。
ふと、昨日の出来事が鮮明に蘇る。
「……名刺」
改めて調べてみるとQRが乗っていて、スマホで検索することが出来た。
ホームページが出てきた。
昨日はなかったのに。出来てから声かければよかったのに。
失意の中で180の男を思い出して笑う。
あんな無表情を貼り付けたような顔では誤解されることも多いだろうなと思った。
「本当にアイドル事務所なんだ……」
さぁ、朝日夢。分岐点だ。
いつまでも蹲っていられるほど時間は無さそうだ。
決断するなら早い方がいい。
この家にも住めなくなると分かれば、寂しさや思い出も巡ってくる。
私はグズグズに泣き腫らしながら16年暮らした家を出るために荷物をまとめ始めた。
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