プロアイドル
@sinkisiki
第1話
「うぅぅぅ、マジで……私の人生コレしか無いのか」
赤いキャリーケースを両手で持ってペナントビルの前に立つ。
コロコロ転がしてここまで来るのは本当に大変だった。
旅行なんて縁のない人生でキャリーケースが思いのほか上手いこと歩道を転がってくれない事を初めて知る。
見ず知らずの土地、テレビの中の世界。
平凡が服を着て歩いている様な私がこんな事になるなんて本当にツイてないと思う。
同じ地球、同じ日本とは到底思えない。
全てが規格外。建物も人の数も。
心臓がバクバクしてるし、緊張しすぎて約束の時間の30分も前に来てしまった。
何度も何度も見直した書類は既にクシャクシャになってしまってる。
震える手を震える手で握る。
スマホで検索してもここで間違いないけど、本当にあってるのかと疑ってる。
(もう全てが夢であって欲しい……!!)
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