第7話 カラオケ1
「朝倉さん、どの曲歌いますか?」
「えっとお、ヨルフカの朝に晴れるってやつ。」
「いいですね。私も入れようっと。」
「みのりんは、何入れたんだい?」
「秘密です。」
「予約欄にモロ出るんだけどね。」
4人がカラオケに入ってわちゃわちゃとしている。
男女二人ずつで入ったので、女子と男子で分かれて席に座る。
(ああ、堂倉くんがいるよお。)
朝倉はドキドキした心が共鳴して赤ノ原と頭の中で会話する。
(あれ、なんで僕の中で話すんだい?)
(勝手になるんです。それより、赤ノ原くんもドキドキしているですか?まさか、出恋さん好きなんですね。ふふふ)
(分かるのか。ならば!)
「みのりん!」
「なんですか?」
「君と一緒にカラオケしているとドキドキしてたまらないよう!」
「はいはい、しってますよ。」
「ちょっと待ってくれ!今のは、告白したのか?赤ノ原、えっどういう関係?」
「こういう関係です。」
(す、すごい大胆ですう!)
「朝倉次ですよ。」
「えっ、あっ!」
そして時間が進み、
もうそろそろかな。
「大くん、一緒にドリンクバー行こう。」
「分かったみのりん。」
「じゃあ私も..」
「朝倉さんは、」
そう言って出恋は朝倉に堂倉くんへと目くばせする。
そして二人は部屋を去って、ドリンクバーの前に行く。
「そういえば、彼女の恋の応援だったね。」
「そう、私も楽しんじゃったけど、応援もちゃんとしなきゃ。」
「そうだね、ねえみのりん。」
「何?また好きとでもいいたいんですか?」
「そうだよ。」
「はいはい。」
「はいはい、かあ。君は告白されても何も思わないのかい?」
「だからそれは貴方が変な人だから…」
「変な人でも恋していいじゃないか!」
その瞬間、赤ノ原は激昂した。
静かだが、言葉が震えて怒りに燃えていた。
「へっ!?」
出恋は思わぬ怒りに驚きを隠せなかった。
「僕の言葉は軽いようだが、僕は嘘じゃない。本当の言葉を投げかけているんだ。そんなの僕は魅力がないかい?」
「そんな事はないです。」
しかし、出恋の反撃が出る。
「でも、時と場合ってあるじゃないですか!もっと考える時間、欲しいです。」
「じゃあ、今考えて欲しい。僕は普通の友達かい?」
赤ノ原は落ち着き、彼女に問いかける。
「…怖いです。」
「じゃあ悪かったよ。変に怒ってしまって。」
「…じゃあずるいです。」
「ず・る・い?ずるいって何だ!?」
「でも、確かに考えたくなかっただけかもしれません。」
「そうなのかい?」
「でも、自分の恋は自分の恋でもあります。」
「僕は、ただの厄介者か。ハハ。」
いつも高笑いしている赤ノ原は、弱く力の抜けた笑い声をあげていた。
「そうでもないんです。」
「えっ?」
「大くんは、カッコいいですよ。告白出来るって。恋って、何処から始まるから分からないもので、不良から助けてもらった時典型的な好きのなり方だなって自分で思いました。私はきっと私の為に動く人が好きなんです。ただ、テンポが悪いだけで。」
「テンポか。じゃあ君と普通に恋がしたい。」
「そのあり得ない程オープンなのがちょっと問題なんですよ。」
「じゃあ、どうすればいい?」
「友達以上、恋人未満じゃないんですか?」
「なるほどね。」
そして二人はカラオケルームに帰っていった。
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