第6話 未来分子
1時間目と2時間目の間の休み時間、
いつもの隣の赤ノ原と出恋が喋るが、今日は更に朝倉がその会話に参加している。
「赤ノ原くん、昨日友達になった朝倉さんです!」
「どうもお。朝倉凛です。」
「あとDNA、ほい大くん。」
「おう。みのりん、報酬は後日払わせて貰うよ。」
「それにしても大くん報酬バグってません?3万って。」
「学生じゃないとこの学園の調査は出来ないからね!」
「なるほどお。この学園の能力者、いや被験者の調査をするとお金貰えるんですねえ。」
「被験者、いい呼び名ですね朝倉さん!」
「僕も真似させて貰うよ。」
「自己紹介、させて貰います。朝倉凛って言います。能力は共鳴心、自分と同じ感情の人の心と会話できる能力です。それより、お二人付き合ってるんですかあ?」
「んー、友達以上恋人未満ってやつかな?」
赤ノ原は堂々と盛った。
「友達です。」
「そうかあ。友達かあ。」
「バッサリ行くねみのりん。」
「私はちょっと距離感バグってる所が苦手です。」
「呼び名の感じ二人共いいのにい。それでお願いがあるんですけど、私の恋の応援とかしてくれませんかあ?」
「因みに誰なんだったっけ?」
二人が高揚していく、その中男一人は置いてけぼりにされる。
「1-Bの堂倉くんだよお。ちょっと寝ぐせのついてひたむきだけど、可愛いとカッコいいが織り交ざってるみたいな?そおいう所が好き。」
「あの天気予報堂倉かい?」
「そうですよお。」
「ちょっと待ってくださいそんな不憫そうな名前付いてるんですか?」
「彼はみんなの役に立ちたいと言って、天気予報をほぼ暗記しているって有名だよ。
天気予報よりも精度がいいっていう噂もある位。」
「それ、イヴリンゴの被験者じゃないですか?」
「ん?良く考えたらそうだね!じゃあ彼を」
「僕を誘って4人でカラオケに行きたいんだろう?赤ノ原くん。」
会話の途中で堂倉が割り言って入って来た。
「ん、君は堂倉くん。カラオケは知らないが、君に用があってだいたいカラオケかファミレスになるような話はしていたよ。」
「それにしても女子が二人、君は性格に寄らずモテるんだね。」
堂倉は女子二人を見渡しながら3人に近づいてくる。
「いや、そうでもないよ。それよりどうだい、何処か一緒に今日の放課後カラオケに行かないかい?」
「ありがとう。二日前から楽しみにしてた。」
「二日前から?なぜこの話を知っているんですか?」
「信じてもらえないかもしれないけど、僕は未来の小さな断片を見る事が出来るんだ。」
「みのりん!これは逮捕だ!」
「逮捕ー!」
「え?ちょっと何、待って何!」
出恋は飛び掛かり、取り押さえて髪の毛を一本取って赤ノ原にパス。
3万ゲット!
「いてて、何すんだ。」
「堂倉くんの秘密、じゃあ今日の放課後ここのみんなで共有しよっか。」
「やったあ、堂倉くんとカラオケ、えへへ」
そして、4人でカラオケにいく事になった。
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