第3話 DNA収集バイト
昼休み、私は最近友達とではなく、
隣の席の男友達 赤ノ原 大ノ助くんと弁当を食べている
それは私の能力について彼に文句言う為だ。
「貴方、私にくれた能力の話だけど。」
「精神掌握、だね!」
(だね!じゃねえよ本当に!)
「なぜそんな最強能力を私なんかにくれたんですか?」
「言っただろ?君が少しタイプだったんだ。ID143、イヴリンゴ~精神掌握~。
このリンゴを父親の権限で君にあげることにした。
この能力はいわば、催眠術の上位互換。相手に意志に介入する。
そして特に、乙女な君は恋心を操る力もあるようだね。」
「なんでですか!私、なにもしていないのに。」
「何もしていない訳じゃない。息はしている。」
(何?この人ふざけているの?)
「そんな冗談嫌いなんですけど!」
「ああ、ごめんごめん。でも近いものなんだ。」
「近いんですか?」
「ああ、近い。それは深層心理だ。君が心の奥求めているものだ。
あとついでに僕が暴れないよう制御する機能がてら追加されている部分もある。」
「ほぼ後者じゃないですか!」
「そうさ!!」
「開き直らないで下さい!貴方、色々ヤバい事がどんどん出てきますね!?」
「まあ、能力を持った地点で君も共犯扱いだろうね。」
「へ?」
「政府が公に裁判で勝てば、法の力で僕達は政府直轄の検査機関に入れられる。まあ、
結局最高裁判官に賄賂渡してたらなんとかなっているんだけどね。だから禁断の実験なんだよ。」
「うわぁ…私もですかあ…」
「まあ、そんな話はさておき、バイトの話だ。」
「バイト?」
「そう、僕は学園の内側からDNA採取をして体内に埋め込まれたリンゴの生態を観察する赤ノ原の機関に送っている。そして、それには勿論情報収集や採集が必要となり、仕事の一環として給料も出るんだ。僕一人で集めるのはめんどいというか、もうお金は十分持ってる。そこでみのりん。君をバイトに誘う事を考えたんだ!」
「みのりん...定着しつつありますね。因みに給料はどのくらいなんですか?」
「一回3万。」
「高っ!やります私!」
「OKみのりん!まずは情報収集からだ!」
そして私はイヴリンゴのDNA採集のバイトを彼から受ける事になった。
そして出恋は周りを見渡し、とある二人の女子グループを見つけた。
「でね、私ね...」
「そうそう、昨日も私...」
クラスの女子、よく出恋とは話さないグループ。
「精神掌握。」
「うっ!」
「はぅ!」
会話中の二人を差し止め、自分の話題を強行する。
「意外と強引なんだね。」
「うるさい。」
「誰か、購買のリンゴパンを食べた人知らない?」
「あれみんな食べてるよ。それがどうしたの?」
「能力の発現するリンゴとダミーがある。イヴリンゴを食べただけでは情報としては不十分だよ。」
「じゃあ、どんな質問だったら引き出せるんですか!?」
「君たちが学園で不思議な事は起きていないかい?」
「学園で?あれがいいかな?」
「あれにしよう!」
「匿名で靴箱にカードを置かれて、その手紙の送り主がお金を見返りに、好きな人とうまくいくように導いてくれるっていう噂が最近話題なのよ!」
「なんといってもそのカードに導かれて恋愛すると必ず恋が成就するって噂!」
「ほほう。なるほど。名付けて恋愛カードの噂。
これがイヴリンゴと関係があるか探っていけばいい。能力を試して何か学園内で不思議な事が起きるはずだから、それを追いかければ必ず能力者にたどり着ける。」
「じゃあ、これを追いかけていけばいいんですね。」
そして恋愛カードの噂を追いかける事にした。
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