選ばれし水の子

花の記憶シリーズ第M弾（全26作品）

世界は、六つの刻印によって守られている。
火、風、土、氷、雷、そして水。
刻印を宿す子どもは「選ばれし子」と呼ばれ、世界の均衡を保つ役目を担う。

だが、15年前、刻印を持つ者たちが次々に命を落とす“消失事件”が発生。
唯一生き残った「水」の少女・水瀬澪（みなせ みお）は、その日から“災いの象徴”と呼ばれ、ひとり隠れて生きてきた。

そんなある日、彼女の前に「火」の刻印を持つ少年・遠野凪（とおの なぎ）が現れる。
「君は、世界を救う鍵なんだ」
そう告げる彼の瞳はまっすぐで、どこか懐かしい光を宿していた。

繋がれた運命、呼び覚まされる記憶。
澪が思い出したのは、幼い頃に交わした約束と、マーガレットの花に込めた“最後の願い”だった——。