じめっとした不快な空気は「悪い物」を呼ぶ。でも、現代の文明の利器なら?
- ★★★ Excellent!!!
音や空気、というものが強く体感される作品でした。
ごうごう、という音がする。最初は電車の音、続いて空気清浄器の動く音。
ぐっしょりと汗をかいてしまうような空気の中、けだるく過ごす男。
そんな中で彼の日常にふと入り込んでくる「何か」の存在。
本作は何と言っても、ラストの回収が面白かったです。
この現実と夢が交錯するような、朦朧とした意識の中、ゆったりと侵食してくる怪異なもの。
それらを全部打ち消すような「ごうごう」とする空気清浄器。
やはり家電には思わぬ効果が、と喝采を挙げたくなるような感覚。基本的に「空気の悪いところ」には悪いものが憑きやすく、換気は大切、という話もあります。
それを自動でやってくれる家電。それによって「怪異」にも効果があるかも、というのは現代ならではの感覚で面白かったです。