こんな【金のオノ銀のオノ】はイヤだ。
レッドハーブ
こんな【金のオノ銀のオノ】はイヤだ。
むかしむかしのお話です。あるところに働きものの
「今日もがんばって仕事するぞ!」
木こりは毎日、一生懸命に働きました。
ある日、木こりはいつものように働いていました。ところが大事なオノを池に落としてしまいました。
「これじゃ仕事ができない…Oh!No!」
そのとき池が七色に輝きはじめました。
そして、池の中から女神さまがあらわれたのです。
「あなたはどうして泣いているのですか?」
「この池に大事なオノを落としたのです」
「それはお気のどく…。落としたのはこの金のオノではありませんか?」
「いいえ、ちがいます。そんなものを持ってたら働いていません」
「それではこの銀のオノですか?」
「それもちがいます。銀は衝撃に弱いのでオノには不向きです。わたしが落としたのは鉄のオノです」
木こりは正直に答えました。
「あなたは大変正直者です。ごほうびにこの金と銀のオノもさしあげましょう!」
「え?あ、ありがとうございます!」
そのようすを近くの
「よし。オレも金と銀のオノをもらうぜ!」
欲張りな木こりは考えました。
「…待てよ?もしかしたら、回数制限があるかも知れないな。それに何回も来ると嫌がられそうだしなぁ…。よし!ここは量より質でいくぜ!」
欲張りな木こりは、大きなオノを1つ造りました。自分でも持ち運ぶのがやっとの大きさです。
「せ〜の!そぉい!!」
バシャーン!!
よくばりな木こりは、大きなオノを池に投げ入れました。すると、池が七色に輝き女神さまがあらわれました。女神さまは頭にコブができていました。
欲張りな木こりは聞きました。
「あなたはどうして泣いているのですか?」
「オノをこの池に投げ入れられ…それがわたしの頭にあたりコブができてしまいました」
「Oh!No…」
「何か言いました?」
「い、いえ…つまらんことです」
女神さまは欲張りな木こりが落としたオノを持っていました。
「あなたがこれを落としたのですか?」
(どうする?正直に答えるか…?ってか、よく持てるな…重くないのか?)
「いいえ、わたしが落としたのは金のオノです」
「そんなものがあるのに働いているのですか?」
「……ちがいました。銀のオノです」
「銀は衝撃に弱いので、オノには不向きと聞きましたが…?」
「……………鉄のオノを落としました」
「ウソをついたんですね?」
「……はい」
「オノは没収します…さようなら」
「ま、まってくれぇ〜!」
女神さまは池の中にもどってしまいました。
「…ん?待てよ?ウソをついたら没収か…」
欲張りな木こりは家から不要な家具を持ってきました。それを次々と池の中に投げ入れたのです。
(女神さまが出てきても出てこなくても、オレにとっては同じことだぜ!)
すると池の中から女神さまがあらわれました。
「あなたが落としたのは…」
「いいえ!金のヤツを落としました!」
欲張りは木こりはすべての質問にウソをつきました。
(こりゃ、いいゴミ捨て場を見つけたぜ!)
最後に傷んだフライパンを投げ入れました。
池の中から目が笑っていない女神さまがあらわれました。しかし、欲張りな木こりは気づいていませんでした。なぜなら女神さまが持っている金のフライパンに目を奪われていたからです。
「あなたは大変 (自分の欲に) 正直者ですね。ご褒美にこの金のフライパンを…」
「くれるの?ラッキー!」
欲張りな木こりは女神に近づきました。
「……もらえると思いますか?」
「え?くれるんじゃないの?」
女神はフライパンを大きく振りかぶりました。
「このシリーズではね…フライパンはこーやって使うのです…よ!!」
BAKKOOOOOOOON!
「Oh…!Nooooooooooooo!!」
欲張りな木こりは遠くへ飛んでいきました。
女神さまは女神にあるまじき表情で中指を立ててながら言いました。
「ここはゴミ捨て場じゃねーんだよ!ヴォケ!!」
こんな【金のオノ銀のオノ】はイヤだ。 レッドハーブ @Red-herb
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
同じコレクションの次の小説
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます