第3話

第五章:新たな世界の誕生


数か月後、洞窟は巨大な地下都市となっていた。


「第一世代の生命体、完成です」


試験管の中で、美しく光る新たな生命体が脈動していた。人類とアルクトゥルス人の遺伝子を融合した、第一世代「ホモ・ステラリス」。


「君たちの子孫は、やがて星々に散らばるだろう。ある者は海に適応し、ある者は山に適応し、ある者は時を越える技術を開発する」


三人は理解した。2242年のタイムラボも、実は彼らの子孫が築いた技術の集大成だったのだ。


「俺たちは…最初からここに来ることになっていたんだな」


第六章:永遠の円環


1000年後、地球は美しい青い星となった。海の民、山の民、空の民…すべて、カイたちが創り出した第一世代の子孫だった。


そして、彼らは高度な文明を築き、ついに時空を越える技術を完成させた。


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西暦2242年。


地球環境研究センターのタイムラボで、若い研究者たちが初の有人タイムトラベル実験の準備をしていた。


「カイ、準備はいいか?」

「ああ、ユカ、サキ、行こう」


三人は笑顔でタイムシップ「クロノス」に乗り込む。


彼らは知らない。自分たちが、40億年前に人類の祖先を創り出した「創世三神」の転生であることを。そして、これから体験する「事故」が、実は宇宙の意志によって仕組まれた必然であることを。


「クロノス、目標地点へワープ開始!」


光がコックピットを満たし、突然の異常事態。


「システム異常!座標が大幅にずれています!」


墜落する寸前、カイは全てを理解した。


これは事故ではない。これは、永遠に続く時の円環。始まりと終わりが一つになった、美しい宇宙の設計図だった。


過去と未来が繋がった瞬間、時間は意味を失い、永遠が始まる。


クロノスは原始の地球に墜落し、カイたちは再び、自分たちの運命を創り始める。


永遠に。


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**【完】**

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原始地球サバイバル 奈良まさや @masaya7174

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