第十三話 氷川神社の謎
「メガネ先生、
「それはおそらく、後付のエピソードで、
メガネ先生はそういう話をしながら、タブレットPCを出して、『
「なるほど、武蔵野国の支配者が変わることで、最初の意味に新たなエピソードが付け加えられ、由来が微妙に上書きされていく訳だ」
薫も何となく永年の疑問が氷解したようだ。
「そうそう。もう少し遡れば、縄文海進の際に、この辺りまで海が入り込んでいて、その後、海水が引いていくと、見沼という大きな沼になり、それが江戸時代には湿地帯を田んぼに変える事業によって、見沼田んぼと呼ばれるようになっていく。氷川神社の摂社には「
メガネ先生はそこで一息、置く。
「ということは、蛇神を抑えるために、八岐大蛇を退治した
薫が目を輝かせながらいう。
「そうとも言えるんだが、
メガネ先生こと
話の反応としては、薫は楽しそうに聞いてるし、
ルナ先生はもう熟睡していた。
そんな光景を眺めつつ、
「そうかあ。
という感想を薫は言いながら、かなり満足げだった。
「出雲やアステカなどで行われてた『
メガネ先生はこの長めの講義をそんな言葉で締めくくった。
それに対して、涼介が珍しく自分の意見を言い出した。
「僕は『
「涼介、話が難しすぎる」
美里から突っ込みが入った。
「涼介はたまにはいい事をいう」
薫からは意外に良い評価である。
「そうだね。経済人類学の過剰蕩尽理論というやつだね。結局、地球に降り注ぐ太陽エネルギーを単純消費するか、富として蓄積していって成長社会にして、戦争とか経済崩壊で盛大に大崩壊させるかの文明のスタイルの違いかな。諸行無常、形あるものはいずれ無くなってしまうからね」
メガネ先生は悟りを開いた高僧のような解説をした。
お釈迦様は偉かったという結論ですね。
話が解りやすいと涼介は思った。
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