はじめに

コンは おそらをみるのが だいすき。

おおきくて ひろくて あおいそら。

みどりの のはらに ねころがって、

コンは きょうも だいすきな

おそらと おはなしをします。


コンが おそらに はなしかけると、

ときどき、くもが うごいたり、

かぜが ふいたりする。


それは──

おそらのなかに かみさまがいるからです。


でも

この かみさま

じつは ちょっとだけ ぬけてるんです。


「こたえてあげたいなあ…」

そうおもうけど、

ことばで うまく こたえるのが にがてです。


かわりに

かみさまには、いっぱいおともだちがいます。

むかし、すっごくかしこかった ひとたち。


──あのね、

かみさまは ちょっと ふしぎで、

ちょっと へたっぴだけど、

ちゃんと コンのことが だいすきなんです。


だから、きょうも

かみさまは そらのなかで ごそごそ さがしています。


「うーん、このこたえは……そうだ!

 あのともだちにまかせよう!」

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