8機目
島内の学校。学校と言っても、多くの人が想像するあの白い大きな建物にデカいグラウンドなんてものはない。ちょっと豪華絢爛な一軒家みたいな校舎にバカでかいグラウンド。どちらかといえばオーストラリアの大農場の地主みたいな感じだ。
そんな見た眼の学校でもチャイムの音が鳴り響く。服装も見た目も自由な生徒がぞろぞろと席に着き始める。
「みなさん、おはようございます。早速ですが、本日もまた転入生を紹介します。入っておいでー。」
扉の外で僕は緊張していた。まさか、高校生になってこんな小説の世界みたいなことを体験できるなんて思ってもいなかったのだ。
「緊張しているの?なら私が先行くから。あとなら続けるでしょ。」
柚は先に教室の入ってしまった。
「おいおい。待ってくれよ。」
僕も後を追いかけた。そして、教室に一歩踏み入れた瞬間、なぜか歓声が響き渡る。なんで?と思い生徒の方を見るとなんと教室にいる20人ぐらいの生徒の内、実にほぼ全てが女子だった。マジかよ。
「はい。静かに。それでは二人とも自己紹介お願いね。」
「私は柚、見ての通りあなたたちと同じヴァーニマエよ。」
見ての通り?少女の状態でもわかるのか?教室にいる人を見ても共通している部分なんてないぞ。
「ぼ、僕は神楽琉翔。それか…」
「紋章がない!」
一番前に座っていた一人の女子の一言により教室中でざわつきが起きる。
「なんだ?その紋章ってのは?」
「え!知らないの?!あなた、神楽君だよね?あなたはそこのヴァーニマエのグベルニーターじゃないの?」
「いや、僕は柚のグベルニーターだ。」
「なら、まだ契約は済んでいないのね。あれ?うちらまだチャンスある?」
教室のほぼすべての目の色が変わった気がした。
「ちょ、ちょっと!る、るかは私のグベルニーター!あなた達には渡さないんだから!」
今僕と話していた一番前の席の子との間に柚が割り込んできた。
「やっぱ、ガード硬いか。まぁいいわ。うち…」
割り込まれた子が名乗ろうとしたとき、教室中にサイレンが響き渡った。
「話は一旦ここまでね。みんな一度避難するわよ。執行部は迎撃作戦の方に協力をお願いするわ。」
教室の後ろの方の4人が駆け足でどこかに向かっていった。
「柚!僕らも行こう!」
「そうね。私たちにできることをしなくちゃ!」
「え?!あなた達も戦えるの?まだ、契約してないんじゃないの?」
「そんなことどうでもいいだろ?そんなものなくても僕は柚に乗れる。僕もさっき出て行った人たちの協力をしてくる!」
「ほ、本当に動かせるの?!で、でも気を付けてよ!そんな状態は不安定なんだからね!」
僕と柚は前の4人を追いかけるために教室を飛び出した。
(島内リーンカーネーション作戦指令室)
「元宮代表、敵は
「頼んだ。他の迎撃部隊の展開状況、被害状況の報告も忘れるな。有効射程圏内に入り次第弾幕を形成。執行部隊にはいつも通り島内での戦闘を避けるようにと伝えてくれ。」
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