第29話:リズムの交流、新たな可能性
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
@RhythmGarden_Official 2026/03/10 10:00:00 JST
#コラボ企画 #リズムの融合 #音楽は無限
リズムガーデン主催のコラボ企画が始動します。
プロとアマチュアの壁を越え、新たな音楽が生まれる瞬間をお見逃しなく。
@RefrainBeat_KANA 2026/03/10 10:30:00 JST
#クリムゾンさんとコラボ #ドキドキ企画 #頑張るぞ
クリムゾン・シールドさんとのコラボ企画が始まるよ!
ドキドキするけど、たくさん学んで、最高の音を届けたいな!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リズムガーデンのロビーは、
朝から独特の熱気を帯びていた。
コーヒーの香りが、
微かに汗と期待の匂いと混じる。
今日は、リフレイン・ビートと
クリムゾン・シールドの合同練習の日だ。
両バンドのメンバーが、
それぞれのスタジオ前に集まっている。
若き情熱と、プロの矜持が交錯する。
怜は受付で、
淡々と事務作業をこなしながら、
彼らの様子を静かに見守っていた。
【合同練習の告知】
怜は眼鏡をかけたまま、
手元の書類から顔を上げた。
ロビーに張り詰めた静寂が訪れる。
「今度、両方のバンドで合同練習だ。
テーマは『自由』だ」
唐突な怜の発表に、
リフレイン・ビートのメンバーは
緊張で固まった。
「えぇー!?」
響の驚きの声が、ロビーに響く。
奏は不安そうに梓咲と結月を見やる。
クリムゾン・シールドの神崎 晶は、
その言葉にニヤリと笑った。
彼女の瞳には、
獲物を見つけたような光が宿る。
「合同練習?望むところだ」
挑戦的な視線を怜に向けた。
その視線には、
プロとしての自信と、
新たな刺激への渇望が込められている。
(面白い。どこまでついてこられるか。
そして、何を生み出すのか。
この場所で、新たな音の歴史を作る。
それは、私自身の音楽の再構築でもある。)
怜は彼らの反応を静かに観察していた。
その瞳の奥には、
新たな音の化学反応への、
かすかな期待が宿る。
それは、かつての自分にはなかった、
純粋な好奇心と、
音楽への深い関わりを示していた。
【プロとアマの葛藤】
合同練習が始まった。
スタジオに響くのは、
プロであるクリムゾン・シールドの
圧倒的な音の迫力。
鳴海 律架の正確無比なドラム。
氷室 楓の重厚なベース。
彼らの音は、
研ぎ澄まされた刃のように
空間を切り裂く。
リフレイン・ビートのメンバーは、
その音圧に戸惑いを隠せない。
まるで巨大な波に
飲み込まれるような感覚だった。
しかし、彼女たちは
以前よりも食らいつけるようになっている。
響はドラムを叩きながら、
律架のパワフルなドラムに
思わず見とれてしまう。
だが、すぐに自分の演奏に集中し、
必死に食らいつく。
汗が額を伝い、ドラムスティックが滑る。
怜は二つのバンドの音を注意深く聞き比べる。
プロの緻密さと、
アマチュアの荒削りな衝動。
その対比が、
怜の心を揺さぶる。
特にリフレイン・ビートのメンバーが、
プロの技術に圧倒されながらも、
自分たちの個性を保とうと必死にもがく姿に、
怜は微かな感慨を覚えた。
(あの頃の私を見ているようだ。
まだ荒削りだが、
その純粋な衝動は、
かつての自分を彷彿とさせる。
この若さで、どこまで行けるのか。
彼らはあの痛みから逃れることができるのか。
私にはできなかった、
純粋な音楽への道を。)
怜の胸に、
かつて音楽を失った痛みがよぎる。
同時に、彼らへの、
かすかな責任感も芽生える。
両バンドの実力差は歴然としている。
だが、互いに刺激し合い、
音楽的交流が深まっていく。
スタジオの空気は、
熱を帯びていく。
【オーナーの導き、新たな化学反応】
合同練習中、
リフレイン・ビートの演奏が、
どうしてもまとまらない瞬間があった。
音がバラバラになり、
焦りが募る。
響のドラムは走り、
梓咲のベースはもたつく。
奏のギターは音量が不安定。
怜は腕組みをしてそれを見ていたが、
突然、口を開いた。
「もっと力を抜け」
その声は、響のドラムに真っ直ぐ届く。
怜はゆっくりとドラムセットに近づく。
その足音は、
スタジオの床に微かに響いた。
そして、ドラムセットに座る。
自らリズム隊のセッションに加わるためだ。
その際、怜は眼鏡を外した。
視界が鮮明になる。
張り詰めた空気の中、
怜がスティックを握りしめる。
一打、音を鳴らす。
ドオン!とスタジオが震えた。
怜のドラムが加わった途端、
異なる個性を持つ二つのバンドの音が、
まるで魔法のように、
お互いの音を聴き合い、
新たな化学反応を起こし始めた。
スタジオの空気が一変し、
予測不能なほどの熱量が生まれる。
その音は、
怜の心の奥底に響く。
(この音だ。
かつて失い、
二度と味わいたくなかったはずの、この音。
だが、今、この場所で、
私は再びこの音と出会った。
この瞬間を、もう失いたくない。
これは、私を再び音楽に引き戻す、
かけがえのない喜びだ。)
怜は演奏を終え、
再び眼鏡をかける。
そして、静かに立ち上がった。
(面白い音を出すようになったな。
この響きは、悪くない。
この場所で、彼らはどこまで成長できるか。)
彼女の顔には、
久しぶりに心から音楽を楽しんだような、
微かな笑みが浮かんでいた。
それは、誰にも気づかれない、
静かな喜びだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
@RefrainBeat_KANA 2026/03/10 18:00:00 JST
#コラボ企画 #刺激的 #音楽は楽しい
クリムゾン・シールドさんとのコラボ企画、すごく刺激的だった!
最初は緊張したけど、一緒に音を合わせるのが本当に楽しい!
もっともっと上手になりたいな!
@CrimsonShield_Official 2026/03/10 18:30:00 JST
#共同制作 #新たな発見 #成長
リフレイン・ビートとの共同制作。
若き才能との交流は、私たちに新たな視点を与えてくれた。
音楽の可能性は無限だ。
@RhythmGarden_Ray 2026/03/10 19:00:00 JST
#音の化学反応 #悪くない #未来へ
面白い音を出すようになったな。
この響きは、悪くない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【次回予告】
響:「怜さん、最近なんかキラキラしてるね!」
奏:「やっぱり音楽してる時が一番輝いてるよ!」
怜:「……(フッと笑う)」
次話 第30話:輝きの音、再び
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます