追いついた月に噛みつくと、もっちりしていた。つるんと喉を通って冷たい。逃げていった残りの月をよく見ると、半透明な中に黒い塊が見える。「水まんじゅうだろ。夏だから」相棒が言う。確かに甘かった。再び追いかけるが、今までよりも力が籠っているのは気のせいではない。

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