あやまり 🎐
上月くるを
あやまり 🎐
あなうれし溽暑続きの朝の雨
緑陰を吹きゆく風の功徳かな
老木の合歓の木の花ずつしりと
ひとり分日影連れゆく日傘かな
世の中を遠く聞きたる木下闇
微睡めば郭公われを招きたり
老親の犬あづかりて花南瓜
夏萩や応へる気なし庭の猫
どの雲もあやまりじやない夏の雲
ごとがたとレールの継ぎ目月見草
狛犬の口の真つ赤や立葵
ダムの夏国道跨ぐ大鳥居
鉢に飼ふ盆栽村の目高かな
三尺の緋鯉のぬうと野面積
全員で鋏チョキチョキ沢の蟹
曲げた肘つたふる汗も命かな
万緑の刻々暮れる旅の窓
龍の棲む荒神山のゆふ螢
所在なく足を組みたる立版古
地に転ぶ丸太となりぬ熱帯夜
あやまり 🎐 上月くるを @kurutan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます