六振
時を同じくしてマジシャンズ側も侵攻を開始していた。
「それでは作戦を開始します。荒れ狂え!ハイドロブラスト!」
マジシャンズの一人が力を操って濁流のようなものを発生させ城の扉をぶち壊す。そこから2人のマジシャンズが物凄い勢いで突っ込んでくる。
「おらぁ!雑魚は引っ込め!皇ぃ、とっとと出て来んかい!
「私たちの世界、返してもらうんだから!ポイズンハリケーン!」
そう叫びながら、手を振り下ろすと無数の光の玉と毒の竜巻が魔龍の軍勢を襲う。
「エクスカリバー様、マサムネ様、ダインスレイヴ様に続けー!」とマジシャンズ達が城になだれ込み始めた。
「流石だな、エクス。僕は右側から行く中央は頼んだよ。」
「じゃあ、私は左側から回って背後をとるわ。また後でね。マサ、エクス。」
総勢100人弱のマジシャンズの侵攻により魔龍たちの戦線は崩壊した。
--------------------------------------------------------------------------------------------
奥の間にて呪光と皇は時空転移の儀の最終段階に入っていた。
「儀式はすべて完了しました。これより永遠の別れになりましょう。」
「そうか。すまない…。我が覇道をあの世で見守っていてくれ。」
これを聞いて呪光は微笑むと、キリッとした顔をして叫ぶ。
「
その時、奥の間の正面と左右の壁がものすごい勢いで吹き飛んだ。
「させるかぁー!
「行かせん! ハイドロインパクトォ!」
「逃がさないよっ! ベノムスプラッーシュ!」
正面から光線、右側から激しい水流、左側から毒の波が皇に押し寄せる。しかし、彼らの攻撃が当たった瞬間、突然その場から皇の姿が消えてしまった。一瞬の出来事に困惑する3人だが、エクスカリバーが近くにいた魔術師的な老いたドラゴノイドに対して手を銃の形にし、突きつけて尋ねた。
「おい、そこのお前!ヤツをどこへやった?」
「エクス~、こいつもう死にかけてだよぉ。話なら他の奴らから聞こう?」
ダインスレイヴがエクスカリバーの後ろから小声で話しかけた。
「いや、他の奴らも仲間がもうすぐ全滅させる。こいつが最後だと思うぞ。おいっ!そこの魔龍。先ほどテレポーテーションって言っていたな。今更逃がしても意味がないと思うが…。はっ!まさか別の世界か?」
マサムネが核心をついたことで、呪光がついに口を開いた。
「…そうとも。じゃがこれで貴様らはもう終えまい。くっくっくっ。」
そう言い終えるとエクスカリバーはとどめを刺した。
こうして後に魔龍戦争と呼ばれたこの戦争は皇の平行世界への転移によって、人類側の勝利に終わった。
ちなみに表向きには皇を倒したと報道された。平行世界への逃亡を信じる人なんていないからである。
5年に及ぶ戦争の傷跡は大きく、総人口の1/4にあたる4億人が失われてしまったとされている。(その大部分は抵抗活動の中で亡くなったとされている。)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます