28.勧誘

「失礼しまーす」


アキラがそう言いながら、とある部屋へと入っていく。


それにレドとリィラとサクラ+やんちーが続いて入室する。


「アキラくん、せめてノックをして入ってもいいか確認を取ってから入るようにした方がいいぞ。客がいたらどうするんだね」


中に入ると、髪の毛が一切生えてない禿げた中年男性が、お偉いさんが座ってそうなデスクに座っていた。


デスクの端には部長と書かれたプレートが置いてあり、実際に偉い人っぽい。


声は渋く、何故かサングラスをしている。


客が来るのを想定してか、そのデスクの正面には対面するような形でソファが置かれており、中央に小さめのテーブルも置いてある。


「そんなこと言われましても…。いいじゃないっすかどうせ誰も来たこと無いんすから」


「いや来てるからねたまに。アキラくんずっと外回りしてるから知らないだけで来てるからねたまに。しかもこの部屋来たの随分久しぶりじゃない?ダメだよ適当言っちゃ」


「話長いでーす。だから青峰に嫌われるんすよ」


「いやそんなに長くないって。私のセリフそんなに長くないと思うんだけどな」


「くどいでーす。だから青峰に嫌われるんすよ」


「それ決めセリフなの?ていうか私そんなに青峰くんから嫌われてたの?」


「ああああああああぁぁぁ!!!ハゲ!!お前ギルドのハゲマスターじゃねぇか!!!なんでここにいるんだ!!?」


リィラはしばらく部屋のあちこちを物珍しげに見ていたが、奥に座っているハゲ部長を目にすると突然叫びだした。


「リィラさん、ハ…、部長と知り合いなんすか?」


「はて、ギルドとは…?」


ハゲ部長がリィラの言葉に反応するが、どうやら知らない様子。


「嘘つけぇ!どう見てもハゲマスターだろお前!お前よぉ!いっつも私に面倒な依頼押付けやがって!勇者だからって限度があるんだからな!あの時の恨み返してやろうかおぉ!?何目ェ瞑ってんでぃ!!」


リィラはハゲ部長のデスクに飛び乗って、ヤンキー座りでぺちぺちとハゲ部長の頭をぺちぺちしだす。


「…………そのだね、流石に下は履いたほうがいいと思うのだが」


「は〜?………」


そう言いながらもリィラは自分の股を確認する。


「………」


ハゲ部長は紳士なようで、サングラスの奥の目を瞑ってじっとしていた。


「あ、あはは、いやいっつも履かないもんで…、てへへ」


流石のリィラもモロに見せてしまうのは恥ずかしいのか、すぐに机から飛び降りて、だぼだぼのTシャツの裾を掴む。


履いてないのか…、と後ろの3人と1匹は思った。


サクラに関しては少し顔を赤らめた。


「…おほん。えぇと、リィラさん、でいいのかな?その、ギルドマスターとやらは知らないし、おそらく顔は似ているのだろうが、私は全くの別人だ。君との面識は無い」


そう言い切る部長に、リィラは渋々理解した。


「まぁとりあえずそういう事にしておこう。全く紛らわしい奴だ!」


全くの別人に腕を組みながら若干頬を染めぷんすか怒るリィラに対し、部長は飄々としていた。


「一応話は手短に済ませるつもりだが、とりあえず疲れているようなら座りながらでも話を聞いてくれ」


部長がそう言うと、まずはリィラが部屋の中央にある対面式のソファにどっかりと座り込み、その隣にレドが座る。


対面にはアキラとサクラ達が座った。


部長は動かずにそのまま話すらしい。


「とりあえず自己紹介をしておこう。私の名は前田総司、一応部長のような立場だ。我々はそうだな、一応政府の特殊部隊のようなものでね、極秘なせいで無駄に人数が少ない部隊だったんだが、最近の怪人災害が思ったより多くてね、人手が足りないんだ。そこで最近人材探しをしていたんだが、怪人というのも中々厄介でね、普通の人間では対処するのも不可能に近い。だからこそ、君達のようなスーパーパワーを持った超人をずっと探していたんだよ。海外の映画みたいなね」


「それで丁度見つけた俺様達をスカウトしようと連れてきた訳か」


「そうだね。と言っても強制では無い。…と言いながら切実に言えば入って欲しいのだが。給料は勿論弾ませてもらう。最近は海にも巨大生物が確認されててね…、本当に困っているんだよ…」


「それ私が倒した奴か?」


「…そうだね。だが一体だけではないようで、まだまだ何体か居るらしいんだ。まぁそれは太平洋の中心辺りでウロウロしているらしいから、アメリカ側へ向かえば我々が対処しなくて済むのだが…、既に一匹来たようだし、またいつ来るかも分からない」


目を閉じながら悩ましげにそう語る部長。


「あれが複数匹かぁ。無駄に高威力のビームも撃ってきたしまぁ普通の人類には無理だよなぁ。そういや海外はアレに対処出来るやつはいるのか?」


「居るには居るらしいが、どうもスーパーな男のような最強ヒーローは居ないらしくてね…。他国に被害が起きたとしても、すぐには応援に来られないらしいんだ」


「ふむ、じゃあ私らが居ないと終わりかこの国」


悩ましげにそう呟くリィラに、どこかからか声が響く。


『そんな事ありませんとも!必ず旦那様がどうにかしてくれます!』


「む、誰だお前は!」


リィラがノリよく響いた声に応える。


そして部長側とは反対、扉付近の上空にあるテレビが急に映りだし、黒髪短髪の白衣を着た少女が現れる。


『私はアキラさんのお嫁さん!その名も、「藤原餡子」です!!!』


「あれの名前は白餅餡子だ。うちの…なんつぅんだっけ、技術者だな」


アキラが解説する。


『なんでそんな事言うんですか!!ていうかそこの小さい女の子達は誰ですか!?ロリ枠は私だけで十分でしょう!!!私という女がいながら別の女を作ろうとするなんて!!!このたらし!そんなにロリがいいなら私で満足したら良いじゃないですか!!!なんで早く私を襲わないんですか!!!毎日待ってるんですよ!!!!』


「…?安心しろ、私は狙ってないぞ!!」


「…………」


リィラはすぐにそう返事したが、サクラは呆然とテレビを見るだけだった。


アキラは何言ってんだこいつと呆れたような顔をしている。


『アキラさんの隣の貴方の方はどうなんですか!?あなたアキラさんのこと狙ってるんですか!?』


「えっ、えっと…、まぁ、…タシカニカッコヨカッタデスケド」


サクラは少し頬を紅潮させてそう言った。


『なぁに頬染めてんですか!!!私のですよ!?私はもっともぉっと前からアキラさん好きで!!!アキラさんの為にここまで努力して来たんですよ!!!』


「あー、その話は一旦置いとこう。で、なんか話しあんのか?もう遅いし、出来れば早めにこいつら返してやりたいんだが…」


アキラが手を挙げてそういうと、餡子は悲しげな声で返答する。


『なんでそんなこと言うんですかぁ〜。せっかく巨大生物でも倒せる兵器が出来たのにぃ〜』


「おお!そんなもん出来たのか!」


『はい!アキラさん専用兵器です!』


「なんで俺専用なんだよ…、別の奴も使えるようにしろよ…」


『だぁって反動がデカすぎるんですもん。一応地面に固定したりは出来るんですけど、計算的にはアキラさんが物理的に制御しないと反動であらぬ方向にビームが飛んで街が滅茶苦茶になります』


「なんつぅ危ねぇもん作ってんだお前は…」


「おぉ!ビームか!面白そうじゃん!あのでっかいのに通じるか私が見てやろうか?」


「む、それは、そうしてくれると助かるが…」


『ぬああああぁぁぁ!!!ちょっと!アキラさんと仲良さそうに話さないでください!!!貴方みたいな美少女とイチャイチャ会話したら男なんてすぐ惚れちゃうんですから!!ちょっ、今すぐ行きますから絶対手ぇ出さないでくださいよ!!!アキラさんは私のもんじゃああああああああああああああああああああ!!!!!』


ばたばたとした後画面が消える。


「面白い子だな!」


リィラが笑顔でそう言うと、アキラは呆れた顔で呟く。


「もうちょい落ち着いてくれると助かるんですけどね…」


「…それで、先程の話の続きなんだが、君達はどうだろう、ここで働いてくれるだろうか」


リィラとアキラが会話する中、部長が最終確認をしてくる。


「私は、うぅん、まぁここで対処出来ない化け物が出たら私に連絡するって形ならいいかなぁ。たまにならって感じで」


リィラがそう言うと、次は隣にいるレドが視線を集めるが、レドは手をサクラに向けて、お先にどうぞという感じで手を差し出した。


「えっ、えっと、私は…、どうしよやんちー…」


「あ?なんで俺に聞くんだよ」


「だって、その、私まだ学生だし…、高校生にもなってないし…」


「うぅーん、学校が終わった時間とかなら…」


「あっ!!!そうだ!!」


「ど、どうした?」


突然の大声にやんちーが驚く。


「あそこの人達誘ったらいいんじゃないかな!?」


「あそこって…、あ…、まさか『黒の軍団アトラレギオ』か!?」


「うん!だって絶対暇そうだし!」


「いやそれは言い過ぎだろ…」


「アトラレギオって…、ああ、言ってたヤツらか」


サクラとやんちーの会話にアキラが混ざり、部長も質問してくる。


「その、アトラレギオとはどういう人達なのかね?」


「えっと、だいたい毎日私達を襲ってくる人達です。やんちーが持ってた石が欲しいらしくて、でもいつも手加減して優しく相手してくれるので、いつも私が勝ってるんですけど…。たぶん怪人よりは強いです!」


「そ、そうなのか…」


「まぁ今回襲ってきたペストマスクの奴の仲間だな」


ヤンチーがそう言うと、アキラが片手で顔を抑える。


「…俺そいつ殺しちゃったんだけど」


「あっ………」


「…………」


「……ま、まぁ誘うだけ誘うなら良いんじゃねぇか…?」


「いやもう絶対無理だろ…」


アキラが苦し紛れに言うが、やんちーは無理だろと結論付ける。


「も、もしかしたら仲が悪い人かもしれないですし、もしかしたら大丈夫かも…?」


「ま、まぁそいつらは後回しにしよう。とりあえずサクラはどうなんだ?別に学校が休みの日とかだけでもありがたいんだが…、学校が休みの日はそいつら来るのか?」


「いえ、学校が休みの日は襲ってこないです。なんか気を使って襲わないようにしてくれてるらしいです」


「石が欲しいのか欲しくないのか…」


「まぁ今日は本気で襲われたし、欲しいっちゃ欲しいんだろ」


やんちーがフンと鼻息を漏らす。


「…えっと、じゃあ、とりあえず休みの日、土日とかなら出れるって感じであれば…」


「ああ、それだけでも出られるなら非常に助かるよ…」


部長はしみじみと呟く。


「まぁ一応、そのアトラなんとかって奴らにも提案しといてみてくんねぇか?サクラが殺したわけじゃねぇし、なんだったら俺が指でも詰めりゃ許してくれるかもしれねぇし…」


「如くだ!如く!ヤクザっぽい!」


「お、おう、そうだな…?」


リィラが小声で、レドの腕をパンパン叩きながら話しかける。


レドはあまり知らないようだったが、とりあえずリィラの頭をぽんぽんした。


「でも、たしか殺そうとした理由が別の人からの依頼らしいので、もしかしたら許してくれるかもしれないです!」


「そうなのか?ならまだ可能性はあるか…?」


サクラがそう言うと、アキラが悩むように顎へ手を当てた。


「一応、誘えそうならば誘ってくれると助かる。本当に人材が少なくてね…、今後も別の怪獣やら何やら出る可能性もあるし、最近発現した能力者が街中で暴れる可能性も否定できない。幾らかはこちらで保護できたが、その子達が暴れる可能性も考えたらもう、対処が間に合いそうにないのでね…」


「わ、分かりました、今度会ったら誘ってみます…」


「んでそちらのレドさんは…」


最後にアキラがレドに聞いてみる。


「俺様は、そうだな、1回助ける事に1つの命を貰おうか」


「お前!?…悪魔じゃん!!!」


リィラがびっくりしたようにレドに言う。


「「ハッハッハッハッハッハッ!!!」」


「「「「…………………………」」」」


リィラはレドをばしばし叩きながらお互いに笑っていたが、他は誰も笑っていなかった。


どう見ても悪魔なレドが言う冗談は、冗談には聞こえなかった。


「…すまん冗談だ」


「…そうか、それはよかった」


部長はほっとしたようにため息をついた。


「と言っても俺様強すぎるからなぁ…。どうしたらいいと思うよ、リィラ」


「うーん?じゃあ私が対処出来ないレベルのが出たら出てくる感じでいいんじゃないか?最終兵器の最終兵器だな!」


「あぁ〜そうだな。それぐらいがちょうどいいか。んじゃあそういう事で」


「なるほど、了解した。では怪獣レベルが出た場合は、お二人を頼りにさせて貰うとしようか…」


そこまで言ったところでバァンと扉が開き、テレビに映っていた少女【白餅餡子】が叫ぶ。


「だから!怪獣もアキラさんが倒せるようになります!!ですよねアキラさん!!!」


「いや、うぅん、まぁ頑張れば行けるかもしれねぇが…」


「え?いけるのか?でもあの時無理って…」


「あん時はエネルギーがなくてなぁ。エネルギーさえありゃあたぶん…。うぅん、水中じゃなければ、頑張ればいけそうな気がする」


「おお!」


「え!?…もしかしてビーム要らないんですか!?」


「まぁ…。ビームはなんかこう、どうにか固定砲台として使ったりしたら良いんじゃねぇか?戦車みたいな…」


「固定砲台はロマンないです…。それに戦車に付けてもどうせ爆破します。怪獣映画見たら分かります。はぁ…、巨大ロボットでも作ってそれに装備させます…」


餡子はとぼとぼと扉を閉めて出ていった。


「ちょ、ちょっと待ちたまえ白餅くん!!巨大ロボなんて作れるほど予算ないぞっ!!!白餅くん!!!」


部長は白餅を立ち上がって追いかけ出すと、扉の向こうで走り出したような足音が聞こえた。


「白餅くん!!?待ちたまえ白餅くん!!!!予算ない!!!予算ないから!!!予算ないんだああああああああぁぁぁ!!!」


部長は扉を開け、白餅を追っかけ出した。


「予算無いなら私達の給料も無しか?」


「ああ、いや、給料分は流石に確保すると思うが、あいつこっそり色々買ったりするから、ちゃんと言っとかないと金がモノすげぇ勢いでなくなるから怖いんだよ」


「大変そうだな〜」


「あ、そうだ。レドさんとリィラさんも、もしうちで働けそうな人材が居たら紹介して欲しいんだが、お願いできるか?」


「人材っつってもなぁ〜」


「そういや俺様、1人お前と結構張り合えそうなやつ見つけたぜ」


そう言ってレドがリィラに向けて語る。


「なにぃ?私と張り合えるだとぉ?」


「本当か!?是非とも紹介して欲しいんだが…」


「…う〜ん」


腕を組みながら悩むレド。


考えている人材はハルの所で働いていた例の彼女であるが、恐らくハルの事が好きなので、流石に彼女だけというのも…。


(あ、ハルもここで働かせればいいか…?……まぁ言うにしても、ハルがあそこで働きたいってなら無理強いは出来んが、もしここでもいいって言うならアリだな)


「とりあえず帰ったら聞いてみよう」


「そうか!それは助かる!…こりゃあもしかしたら俺も定期休みが取れる日が来るか」


アキラは後半にやけた口元を抑え、小声で休日を夢想した。


「っと、部長もどっか行ったし、とりあえず今日の話はこれくらいにしておくか。とりあえずサクラは送ろう。お二人さんはどうする?乗るか?」


「ん?ああ、私らはコレがあるからな!」


リィラは後ろをノックするように手をかざすと、一瞬で白い扉が現れる。


「ゲートって言わなくても出せるのか…」


思わずやんちーが呟く。


「お、そうだ!サクラも今日は遅いし、私のゲートで送ってやろうか?」


「え?送れるんですか?」


「あたぼうよ!まぁそうだなぁ、ゴーグルマップで自宅周辺の地図を見せてくれれば、ピンポイントで送れるぞ!」


「すげぇ便利な魔法だな…。本当にどこでもドアじゃねぇか」


アキラが呆然と呟く。


「自宅の位置…、ちょっと待っててくださいね…」


サクラはポケットをまさぐって…。


「あっ、バッグを公園に置いたままでした…。スマホもそっちですね…」


「なるほど…、んじゃあ先に公園か。とりあえずスマホが無いなら私のを貸してやろう」


そう言ってリィラはTシャツの胸元をまさぐりだした。


「えっそこポケットなんですか?」


「ん?ああ、いや、亜空間に物をしまう魔法」


レドから教えて貰った魔法の1つであり、胸元から出そうとしているのは、単に映画やアニメ等で胸の間から物を出すという行為を参考にしているだけである。


ただ胸がないので全く色気は無い。


「す、すごい、私も練習すれば使えますかね…」


「ん?ああ、確かに頑張れば使えそうだな!レド、教えてやれよ!」


「え!?そこで俺様に振るのか!?」


「私教えるのあんまり得意じゃないぞ。んでお前は教えるの上手いし」


「まぁそこの嬢ちゃんが俺様から教えを請いたいってんなら別にいいが…」


無駄にニタ…っと不気味に微笑みかけるレドに、サクラは物怖じなくお願いした。


「よ、よろしくお願いします!」


わざわざ立ち上がり、ぺこりとお辞儀もしている。


「良い子だな。ついでにゲートも教えてやろう」


レドは笑顔でサクラの頭にいるやんちーをぽんぽんした。


「俺をぽんぽんしてどうすんだ!!」


「うさっちにも教えてやろう」


「やんちー…じゃねぇ羽切王牙はぎりおうがだ!」


「やんちーにも教えてやろう」


「ほれ、スマホスマホ、これでまず公園の位置教えてくれ」


「あ、はい」


そう言ってリィラは、マップアプリの画面を開いた状態でサクラへと渡した。


そうしてしばらくの後、全員解散した。




ーーーーー




俺の名前は山田春。


しがないただの一般人だ。


魔法が使える訳でも、謎のスーパーパワーがある訳でも、ましてや超能力なんて不可思議なものを使える訳でもない。


本当にただの一般人だ。


だけど何故だろう、最近身の回りで非現実的な事が多くなってきていた。


悪魔のような神様のようなレドや、ニート…、じゃなくて勇者のリィラと過ごすようになったり、世間では怪人災害が街を賑わせ、知らない間にヒーローが戦っていたり…、会社の後輩も実は勇者で怪人と戦っていたり…。


そんな非日常的な事が多くなったからだろうか、またもや不思議な出来事が起きた。


「ここどこだろう」


俺はいつの間にか、何も無い白い空間に立っていた。




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