4. チート野郎(強いとは言って居ない)

 女神が仕掛けた、『人間狩り』競争。


 30余名がただ一人を、追う、狩る、殺す——文字通りの、死の逆『鬼ごっこ』。


 最弱との理由で『不適格』とされた者、をほか全員が寄ってたかってじゅうりんする——山田は獲物gameに選ばれた。


 さぁ、生死を懸けたリアル逃走ゲームの始まりだ。


 ルールを説明しよう。『自首』された方には漏れ無く、転移ではなく『転生』のプレゼント——自首しなくても、だが。


 う山田君。くすれば元の世界に帰れるよ。ただし赤子からり直し、だが。


 学級全員が集団で特定一名を殺すとか、現実世界では考えられ……いや、有ったか、結構。


 の度に大々的に報道され、SNSが炎上し、忘れた頃に又起きる。


 起きる、と言うり、発覚する——死人が出なければ、れない。殺そうとする行為や状況は、平和な世界で続く、ほのぼの日常だ。


 ——なんだ、元の世界となにも変わらないではないか。


 には、マスコミはない。インターネットも、無い。みなさまえんりょ無く、存分にたのしみ下さい。


「さぁ、花丸印のみなさまは低レベルどもなど気にしなくて良いですわよ。あぁ、特別報酬?でしたわね。貴方達あなたたちにも別のクエストほうを与えますので御安心を」


 数名のハイ級者レベル、を引率する女神。


 れを背に、残りのほか大勢のぞうひょう判定な者達全員の目が、近くにはずの山田を追う。


 ——が、


 見当たらない。


 あたりのにも、山田の姿は無い。


 ……


「山田はだ!」


 雑兵共が狼狽うろたえる声を背に、山田は既に広間を抜け出し、早くも逃走中だった。


 だが、の間に?


 おりしもたまたまだが、山田は集団の最後尾にた。


 平木の凶行騒ぎを見た後は、更に集団から距離を取った。


 身の安全の確保——だけでなく、全体の見れる場所にじんり、様子を遠巻きにうかがう算段、も有った。


 ままの流れで進めば、次は恐慌panicだ——群衆crowd暴走crushが起きる。女Godの『天罰damn』がくだり先に、巻き込まれて圧死、など馬鹿らしい。


 『掲示板』が現れた直後は、みなの目が其方そちらられてたので、すきにと更に遠退とおのいた。


 振り向くと、は出口だった。


 女神は上座で、下座の端なら、位置的に当然だ。


 なお、扉は閉ざされてなかった。


 れを使わない手は無い。何しろ異能のこう使で逃走者を撃(討)つのでれば、誤射やらちょうだんやらはり得る。あるいは、爆破系能力とかなどで部屋全体が吹き飛ぶかもしれない。


 女神は『bill示板board』を出した時に此方こちらに背を向けてた。誰も見てない——今なら、れない。


 山田は出口を抜け、かべうらに回り込んだ。


 し後でとがめられたなら、『用足し』とでも言えば良い。もっとんな言い訳が通じる相手とも思えないが。


 ……よう逃亡者fugitiveてば良いのだ。平木のように言い掛かりを付けられて粛清されるかもしれないが、らばなにをしても同じだろう。可能性が有るなら、に賭けるべきだ。


 し逃走者が初期攻撃をまぬがれ広間の出口に至れた場合、の位置ならまっさきに捕えられる——椅子Cと思いきや実はなんfrontrow


 して、考えたくなかったが、最悪、おのれ自身が最下位ランカーの場合——。


 ……で、


 まさおのれが、とは……。



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