7月5日に生まれた輪廻の子

ナスノウタ・那須詩

第1話 7月5日M9.5級の大地震

 「まただよ、今度は地球か」


 そうつぶやいた俺の名前は、零式輪廻。大地震の最中、この世界に生まれ落ちた。


 前の世界では、大地震が起きたのは7月5日じゃなかった。90年後の4月10日、AIによって管理された都市で発生したが、被害は小さかった。高度なAIとバイオ技術で、ほとんどの命は守られた。


 だが、その後に起きたのは技術戦争。AI同士の争い、人間とバイオ融合兵士の暴走。俺が死んだのは、その戦争の1年前だった。


 今回の地球は予言通りだった──7月5日、大地震が世界を襲い、そこから第二、第三の破滅が連鎖した。


 被害規模は、第二次世界大戦の10倍以上。国家は消え、文明は崩れた。


 だが人間は滅びなかった。


 それから数年。俺が15歳になる頃には、人々は中世15世紀レベルの文明を築き始めていた。


 魔法のようなものも芽生えつつある。それが、今回の地球の“バグ”なのか、それとも新しい進化なのかは、まだわからない──。


リンネの部屋

ベッドの上でなんか立ち尽くしていた。

「おかしい、俺もおかしいが、この世界バグってんだろぉぉぉぉおおおお‼︎......」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る